1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06239222
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中平 靖弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90004332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加固 昌寛 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (10233678)
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Keywords | 光分解 / 光反応 / 真空紫外光 / 有機ケイ素化合物 / アルキルシラン / ジシラン / シリレン / トリシラン |
Research Abstract |
ペルメチルポリシランの光分解過程は溶液中の研究で一般的な開裂様式が明らかにされている。しかし、より基本なアルキルシラン類に関しては1、2の気相光分解の報告のみである。本研究では数種の単純なペルアルキルシラン類の真空紫外光分解を、ポリシラン類と同様にシクロヘキサン溶液中で行い、溶液反応での特徴およびケイ素鎖長の効果を検討した。 テトラブチルシラン1では、トリブチルシラン4が微量のオクタンとともに生成し、ヒドロシラン存在下では、シリレン挿入生成物5が得られる。ヘキサメチルジシラン2ではトリメチルシラン6、テトラメチルシラン7および1,3-ジシラシクロブタン8が生成し、ヒドロシラン存在下ではシリレン挿入生成物10が得られる。以上から、アルキルシランおよびジシラン類の光分解の主経路はホモリシスによるシリルラジカルの生成であり、低効率ではあるがシリレン脱離が競争的に進行している。一方、オクタメチルトリシラン3では6、2および8が生成し、ヒドロシラン存在下ではシリレン捕捉生成物10が得られる。トリシラン3では1および2と異なり、シリレン脱離が主過程となり、ホモリシスがこれと競争的に起こっている。 アルキルシランおよびジシランの溶液相光分解は気相と形式的には同じ機構で進行している。今回溶液反応によりシリレン脱離過程の存在が初めて確立した。しかし、ジシランについては気相で波長依存性も示唆され、反応活性種の動的挙動等さらに詳細な検討が必要である。溶液中では中間活性種間の反応が不均化に限られ気相に比して生成物はより単純である。
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[Publications] H.Komoriya: "Preparation and Properties of 3,4,7,8-Tetragermacycloocta-1,5-diyne and Related Compounds" Chem.Lett.1439-1442 (1994)
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[Publications] 中平靖弘: "真空紫外光によるペルアルキルモノ-、ジ-、トリ-ゲルマンの溶液中における光分解" 日本化学会誌. 253-257 (1994)
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[Publications] Y.Nakadaira: "Photochemical Reaction of CF_3-substituted Benzenes with a Tetraalkylated Group 14 Organometals" Main Group Metal Chemistry. 17. 553-557 (1994)
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[Publications] K.Mochida: "Photochemical Isomerization of 1-Germa-2,4-cyclohexadienes" Chem.Lett.1961-1962 (1994)
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[Publications] S.Kyushin: "Cleavage of Tin-Carbon Bonds of Organosilylstannane and Organodistannane in Photo-induced Electron Transfer Reactions and Mass Spectrometry" Chem.Lett.29-30 (1995)