1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06239226
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小夫家 芳明 静岡大学, 工学部, 教授 (80026195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康隆 静岡大学, 工学部, 助手 (10240798)
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Keywords | アゾ化合物 / 光異性化 / 光応答性 / 増幅 / 一次元電導体 |
Research Abstract |
適度の親水性を有するオリゴエーテル基を含むカルボキシラートと疎水性長鎖アルキルアンモニウムとを組み合わせたイオン対が、疎水性の高い脂質二分子膜中で分子認識を駆動力として分子集合体を形成し、一般にイオン通過に対する障壁となる疎水性の高い脂質膜中に親水的な壁面を有するポアを形成することができ、一定の電導度を有する人工超分子イオンチャネル構造体が組織化できることを明らかにした。この疎水性アンモニウム基の一部にトランス-アゾ基を導入し、オリゴエーテルカルボキシラートを用いて同様にイオン対を形成させたところ、8pSの一定の電導度を有する安定なイオンチャネル電流を与えることを見出した。しかし本イオン対に367nmのUV光を照射することによってアゾ基をシス体に異性化させた後に脂質膜に取り込ませると安定なイオンチャネル電流は観測することはできず、脂質膜の乱れを意味する微小なリ-ク電流を与えた。このシス体は脂質膜中で測定中十分な時間安定であるが、450nmの可視光を照射するかまたは熱異性化によりトランス体に戻すことができた。従ってイオンチャネルの光異性化を利用して、毎秒数百万-数千万の膜を介したイオン流束を与える機能を微小な光入力により制御・増幅できるフォトトランジスタ機能の開発に成功した。 またイミダゾール置換ポルフィリンを合成し、イミダゾールの金属中心に対する配位によって光受容体として働く長い共役π電子がスタッキングしたポルフィリン一次元分子集合体が組織化できること、これによって隣接したポルフィリン面を通して有効な電子移動が得られることを見出し、光合成膜をモデルとするエネルギー伝達組織体の構築を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小夫家 芳明: "脂質2分子膜中にイオン流束場を与える人工イオンチャネル" 有機合成化学協会誌. 53(印刷中). (1995)
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[Publications] Y.KOBUKE: "Towards Biophysics of Ion Channels" Antificial Ion Channels(印刷中), (1995)