1994 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ励起による表面反応ダイナミクスの究明とエピタキシャル成長の原子層レベル制御
Project/Area Number |
06239236
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
冬木 隆 京都大学, 工学部, 助教授 (10165459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 恒暢 京都大学, 工学部, 助手 (80225078)
松波 弘之 京都大学, 工学部, 教授 (50026035)
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Keywords | 有機金属 / 分子線エピタキシ- / ガリウムリン / 光励起 / 反射高速電子線回折 / 原子層制御成長 |
Research Abstract |
本研究は、有機金属を原料とする高真空中での有機金属分子線エピタキシ-法を用いて、レーザ光励起におけう表面反応のダイナミクスを定量的に解明し、これを原子層レベルでの結晶成長の制御に応用することを目的としている。広禁制帯幅半導体として着目されているリン系半導体をとりあげ、III族原料としてトリエチルガリウムを、V族原料としてホスフィンを用い、ガリウムリンの成長を試みた。光源には窒素レーザを用いた。本年度得られた主な成果は次の通りである。 1.表面反応律速領域において、光照射により成長速度の増加を確認した。これは、光照射により表面に吸着した原料の分解が促進されたためである。 2.光照射時の反射高速電子回折パターンの輝度の時間変化を解析することにより、表面化学反応の素過程を解明し、反応過程のモデルを提案ちあ。吸着種の量の時間変化をレート方程式を解くことにより求めた。反応過程の定量的な解析を試み、実験結果と良く一致することを明らかにし、提案したモデルの妥当性を示した。 3.原料ガスを熱分解し、活性度の高い前駆体を生成することにより、成長膜への炭素混入が低減できることを実験で明らかにした。また、得られた成長層の電子的性質と炭素量との関連を検討した。 以上の成果により所期の目的は達成された。今後、より詳しい表面反応ダイナミクスを検討するとともに、結晶成長の原子層制御に応用することが必要であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Matsunami: "In-situ RHEED observation on surface reactions in laser-triggered chemical beam epitaxy of GaP" Applied Surface Science. 79/80. 227-231 (1994)
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[Publications] H.Matsunami: "In-situ reflection high-energy electron diffraction observation of laser-triggered GaP growth in chemical beam epitaxy" Journal of Crystal Growth. 136. 89-93 (1994)