1994 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリイオンをドープしたシリカ担持バナジウム酸化物によるアルカンの光酸化反応
Project/Area Number |
06239237
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 庸裕 京都大学, 工学部, 助手 (70201621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 郷弘 京都大学, 工学部, 教授 (00025933)
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Keywords | バナジウム / 光触媒 / アルカン / 光酸化反応 / アルカリイオン / シリカ / 部分酸化反応 / 光化学 |
Research Abstract |
1.シリカに高分散担持したバナジウム酸化物(VS,2.5wt%V_2O_5)にアルカリイオンをドープすると反応の有効波長が長波長側にシフトするだけでなく,アルカンの部分酸化反応にも有効であることが見出された。本研究においては,シリカ担持バナジウム酸化物による低級アルカンの光部分酸化反応のメカニズムを調べ,アルカリイオンのドープの効果について検討することを目的とした。 2.バナジウム酸化物表面種:リン光スペクトルから、ルビジウムイオンを添加したVSはアルカリイオンと相互作用したバナジウム酸化物発光種が非常に少ないことがわかった。ルミネセンスでの定量は不可能であるが、プロパンの光酸化反応の結果から、反応に関与する表面種のうち、ルビジウムイオンと相互作用を持つバナジウム酸化物はS400は75%以上あるものと推測された。 3.プロパンの光酸化反応:VO_4とS400の双方が活性化される310nm以上の波長の光照射を行った場合,アルカリイオンを添加した触媒の方がVSよりも活性が高い。しかし,アルカリイオン添加VSは,CO,CO_2の選択率が大きかった。部分酸化成生物の選択率を見ると,VSは種々のアルデヒドが生成しているのに対し,アルカリイオン添加VSはアセトンが選択的には生成している.次に,S400だけを励起する390nm以上の光を照射して反応を行った.VSはほどんど不活性であったのに対し,アルカリイオン添加VSはUV-31フィルターを用いたときより活性は落ちたが,反応は進行した.一方,CO,CO_2への選択率は減少し,アセトンの選択率,収率ともに増大した.これは,310-390nmで励起されたVO_4が逐次酸化を起こすサイトであるか,あるいは,S400が310-390nmで励起された場合完全酸化活性が顕著となるかどちらかであることを示している。
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Research Products
(1 results)