1994 Fiscal Year Annual Research Report
新反応場としてのガラスおよび過冷却液体における新規有機分子の光化学反応の動的制御
Project/Area Number |
06239243
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
城田 靖彦 大阪大学, 工学部, 教授 (90029091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 英之 大阪大学, 工学部, 助手 (00222167)
野間 直樹 大阪大学, 工学部, 助手 (70208388)
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Keywords | アモルファス / 過冷却液体 / 反応場制御 / 光化学反応 / starburst分子 / 光環化反応 / フォトクロミズム / スピン多重度 |
Research Abstract |
有機低分子化合物単独のアモルファスガラスおよび過冷却液体は、新しい光化学反応場として興味がもたれる。しかしながら、室温以上で安定なガラス状態を容易に形成する有機低分子化合物が知られていなかったため、低分子系有機化合物のアモルファスガラスにおける光化学反応の研究はこれまで全く行われていなかった。 われわれは、光・電子機能を有するアモルファス分子材料の創製を目指して、これまでにstarburst分子と名付けた一連のπ電子系低分子化合物群を合成し、これらが室温以上で安定なガラスを容易に形成することを明かにしている。 本研究は、低分子単独のアモルファスガラスおよび過冷却液体における光化学反応過程を明らかにするとともに、光化学反応に基づく機能の動的制御を検討することを目的としている。平成6年度の研究において、以下のような成果を得た。 1.新規π電子系starburst分子の光化学反応 新規π電子系starburst分子1,3,5-tris(diphenylamino)benzeneの分子内光環化反応について、酸素存在下ならびに脱気下で検討し、その反応機構について考察した。 2.ガラス形成能を有する新規フォトクロミック分子の合成とそれらの光化学反応 アモルファスガラスを容易に形成するとともに、フォトクロミック特性を有する新規な有機分子の創製を目指して、アゾベンゼン骨格を有する新規π電子系分子を設計・合成し、この化合物が室温以上で安定なアモルファスガラスを容易に形成することを見いだすとともに、ガラス薄膜におけるフォトクロミック特性を明かにした。 3.その他 光電子移動反応におよぼすスピン多重度の効果について研究を進めた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Nakajima,Y.Shirota: "A Striking Effect of Spin Multiplicity on the Photoinduced Electron-Transfer Reaction of a 1-Vinylnaphthalene-Pyromellitic Dianhydride System" Chem.Lett.1994. 1577-1580 (1994)
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[Publications] S.Yoshikawa,Y.Kotani,Y.Shirota: "Photocyclization Reaction of 1,3,5-Tris(diphenylamino)benzene" J.Photopolym.Sci.Tech.7. 83-84 (1994)
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[Publications] E.Ueta,H.Nakano,Y.Shirota: "Glass Formation and Phase Transition of Novel p-Electron Starburst Molecules,1,3,5-Tris-(phenyl-2-thienylamino)benzene and 1,3,5-Tris(phenyl-3-thienylamino)benzene" Chem.Lett.1994. 2397-2400 (1994)
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[Publications] S.Satoh,T.Nakajima,Y.Shirota: "The Effect of Spin Multiplicity on the Photochemical Reaction of a 2-Vinylnaphthalene-Dichloromaleic Anhydride System" Res.Chem.Intermed.(in press).