1994 Fiscal Year Annual Research Report
人工複合糖質高分子による超分子構造の形成と精密認識機能の促進
Project/Area Number |
06240226
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 一清 名古屋大学, 農学部, 助教授 (10023483)
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Keywords | 糖鎖高分子 / 合成多糖 / 分子認識 / 動的天然物化学 / 機能材料 / 酵素触媒重合 / 分子設計 / 糖鎖工学 |
Research Abstract |
構造が高度に規制されたいくつかの「糖鎖高分子」(あるいは「人工複合糖質高分子」)および「合成多糖」を精密化学合成した。これらの糖鎖高分子および機能多糖のいずれにも、認識信号としての糖鎖が濃密に組み込まれている。そのために、オリゴ糖や多糖の分子認識・細胞認識に基づく精妙な分子生体機能の本質を、分子レベルあるいは細胞レベルで追求するためのモデル物質となる。いくつかの生成物を用いて、低分子物質とは異なった特有の糖鎖の動的精密構造認識を発現することを明らかにした。 1.N-グリコシル化を活用した人工複合糖質高分子の合成。オリゴ糖の還元性末端をアミノ化したあと、p-ビニルベンゾイルクロリドとの反応によりアミド結合を形成させて、オリゴ糖置換スチレンモノマーを高収率で合成する簡便な方法を開拓した。 2.β-D-マンノピラノースを結合した人工複合糖質高分子の合成。 3.N-グリコシル化を活用した人工糖ポリペプチドの合成。ポリグルタミン酸の側鎖のカルボキシル基にラクトースおよびN-アセチルキトビオースをβ-アノマー結合で立体特異的に導入する手法を開拓した。 4.レクチンによる分子認識機能の発現。免疫二重拡散法および赤血球凝集阻害実験を行って、高分子とレクチンとの相互作用を調べた。特有の高分子効果が発現することを明らかにした。 5.酵素触媒重合による多糖主鎖型のグラフト共重合体の合成と機能。ホスホリラーゼによる酵素触媒重合を利用して、アミロース置換スチレン型のマクロモノマーを合成し、ラジカル単独重合および共重合を行って、主鎖が合成高分子で側鎖が多糖からなる分岐高分子を得た。アミロースとヨウ素との錯体形成能を解析して、枝分かれ高分子特有の機能を見つけた。 6.開環重合を経由するフッ素化機能多糖を合成した。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] A.Kobayashi: "Receptor-Mediated Regulation of Differentiation and Proliferation of Hepatocytes by Synthetic Polymer Model of Asialoglycoprotein" J.Biomaterials Sci.,Polymer Edn.(印刷中).
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[Publications] 小林 明: "細胞接着システムの新展開" 化学と生物. 32. 260-268 (1994)
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[Publications] K.Kobayashi: "Chemo-enzymatic Synthesis of a Glycopolymer Carrying Clustered-N-acetyl-β-lactosamine Moieties" J.Carbohydr.Chem.13. 753-766 (1994)
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[Publications] N.Matsushita: "Induction of Cytochrome P-450s and Expression of Liver-specific Genes in Rat Primary Hepatocytes Cultured on Different Extracellular Matrices" Biosci.Biotech.Biochem.58. 1514-1516 (1994)
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[Publications] 小林一清: "人工複合糖質高分子:生物認識能をもつ生体機能材料を目指した展開" 油化学協会誌「分子認識特集号」. 43. 960-967 (1994)
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[Publications] 小林一清: "新タンパク質応用工学" フジテクノシステム(印刷中),
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[Publications] K.Kobayashi: "Neoglycoconjugates:Prepration and Applications" Academic Press, 23 (1994)
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[Publications] 赤池敏宏: "別冊日経サイエンス 糖鎖と細胞" 日経サイエンス社, 16 (1994)
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[Publications] K.Kobayashi: "Methods in Enzymology,Vol.242,Neoglycoconjugates,Part A,Synthesis" Academic Press, 10 (1994)
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[Publications] K.Kobayashi: "Methods in Enzymology,Vol.247,Neoglycoconjugates,Part B,Biomedical Applications" Academic Press, 10 (1994)