1994 Fiscal Year Annual Research Report
配糖体色素の精密構造認識によるキラル超分子の形成と発色
Project/Area Number |
06240227
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 忠雄 名古屋大学, 化学測定機器センター, 助教授 (70093028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 久美 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (90210690)
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Keywords | プロトシアニン / アントシアニン / ヤグルマギク / メスバウアー / ESR / 発色 / 金属錯体 |
Research Abstract |
ヤグルマギクの青色花弁色素、プロトシアニンは、アントシアニンのサクシニルシアニン(Sucy)、フラボンのマロニルフラボン(Mafl)、金属イオン(Fe^<3+>,Mg^<2+>)から形成される分子集合型分子であった。直接、花弁から本色素を単離するのは解離、退色が容易に起こるため極めて困難であった。粗色素から構成成分を精製・単離し、それらの構成成分のあらゆる組み合わせを検討して、プロトシニアン色素の再構成実験を行った。SucyとFe^<3+>イオンの等量比がきわめて大切でその比が1:1/6のであることが必須であった。1/6以上の鉄イオンを用いるとプロトシアニン異なった色素を生成した。再構成によって天然の色素と全く同一の化学的性質をもつ再構築色素を純粋に得た。この色素の精密な分子量はイオンスプレイ質量分析によって8511であること、^<57>Fe(enriched)で置換されたプロトシアニンのメスバウワ-測定とESRから錯体中心の鉄イオンはFe^<3+>であることを突き止めた。以上の結果からプロトシアニンの分子組成を[Sucy_6Mafl_6Fe^<3+>Mg^<2+>]と決定することができた。中心金属のFe^<3+>とMg^2をそれぞれ他の金属イオンで置換すると、3価の金属イオンで置換すると青色から青紫色に変わったが、2価の金属を替えてもその色は変化しなかった。これらの磁気円二色性からプロトシアニンの青色は、リガンドのアントシアニジン母核からFe^3への電荷移動(LMCT)によって発現されることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kumi Yoshida: "Cause of Blue Petal Colour." Nature. 373. 291-292 (1995)
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[Publications] Tadao Kondo: "Direct Observation of a Small-Molecule Associated Supramolecular Pigment.Commelinin.by Electrospray Ionization Mass Spectroscopy." J.Am.Chem.Soc.116. 7457-7458 (1994)
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[Publications] Tadao Kondo: "Composition of Protocyanin.A Self-Assembled Supramolecular Pigment from the Blue Corntlower,Centaurea cyanus." Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33. 978-979 (1994)
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[Publications] Hirotoshi Tamura: "Strueture Determination of Acylated Anthocyanins in Muscat Bailey A Grapes by Homonuclear Hartmann-Hahn(HOHOHA) Spectroscopy and Liquid Chromatography-Mass Spectroscopy" Phytochemical Analysis. 5. 190-196 (1994)