1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06241107
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
足立 吟也 大阪大学, 工学部, 教授 (60029080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 憲一 大阪大学, 工学部, 助教授 (00157223)
小宮山 真 東京大学, 工学部, 教授 (50133096)
稲永 純二 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助教授 (50091244)
山瀬 俊博 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (80016576)
笛木 和雄 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80010750)
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Keywords | 希土類錯体 / 錯体合成 / 有機合成 / 触媒反応 / 人工制限酵素 / イムノアッセイ / 材料化プロセス / 高可能材料 |
Research Abstract |
本研究では、希土類に関する研究の中でこれまであまり顧みられなかった希土類錯体に焦点を絞り、その合成と基礎物性の解明を系統的に行うことで、希土類錯体を学問的に体系化することを目的としている。本年度に得られた成果は以下の通りである。 1.希土類錯体の基礎物性と新規錯体の創製 Ce^<3+>とEu^<3+>とを共付活したCa-Ga系複合硫化物を合成し、その蛍光特性を検討した。その結果、ジチオカルバマト錯体を経由することで化合物がより低温で合成でき、発光輝度も高いことが明らかとなった。 2.希土類錯体を用いた有機合成の新展開 特異なルイス酸性、塩基性、Redox特性、および炭素-希土類間のsあるいはp結合を有する希土類錯体を利用する有機合成反応プロセスについて検討を行ない、より効率的で新規な高次制御反応系、例えば酵素を凌ぐ人口不斉触媒などの構築が十分可能であることを昨年に続き明らかにした。 3.希土類錯体の新しい機能の発現と応用 今年度は、DNAの切断に対して更に高い活性を有する希土類錯体の構築を目指して、複数の金属イオンの協同作用による触媒能の向上について検討した。その結果、Ce^<4+>とPr^<3+>あるいはCe^<4+>とNd^<3+>とを組み合わせることにより、Ce^<4+>のDNA切断活性が飛躍的に向上することが明らかになった。 4.希土類錯体を前駆体とする高機能材料の創製 希土類塩化物と塩化カリウムとの間に生成する気相錯体の構造を、高温質量分析装置を用いて決定することに成功した。また、希土類錯体をシリカと有機成分の複合体マトリックス内へ導入することで、従来の無機蛍光体に匹敵する発光輝度を有する蛍光体を開発することに成功した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kuniaki Murase: "Mutual Separation of Mixed Praseodymium and Neodymium Oxides via Metal Halide Gaseous Complexes" Ind. Eng. Chem. Res.34. 3963-3969 (1995)
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[Publications] Tetsuro Jin: "Luminescence Property of the Terbium Bipyridyl Complex Incorporated in Silica Matrix by a Sol-Gel Method" J. Electrochem. Soc.142. L195-L197 (1995)
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[Publications] Junji Inanaga: "Achiral and Chiral Lanthanoid (III) Salts of Superacids as Novel Lewis Acid Catalysts in Organic Synthesis" New. J. Chem.19. 707-710 (1995)
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[Publications] Yuichi Sugimoto: "Palladium(O)-Samarium (II) System for the Preparation of Allenes from Propargylic Acetate. Application to the Synthesis of 2,3-Naphthoquinodimethanes" Appl. Organomet. Chem.9. 369-370 (1995)
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[Publications] Makoto Komiyama: "Sequence-selective and Hydrolytic Scission of DNA and RNA by Lanthanide Complex-oligo DNA Hybrids" J. Biochem.118. 665-670 (1995)
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[Publications] Makoto Komiyama: "Efficient and Oxygen-indeppendent Hydrolysis of Single-stranded DNA by Ce (IV) Ion" J. Chem. Soc., Perkin Trans. 2. 269-274 (1995)
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[Publications] 小宮山 真: "新タンパク質工学" フジ・テクノシステム(印刷中), (1996)
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[Publications] 小宮山 真: "季刊化学総説「超分子をめざす化学」" 日本化学会, (1996)