1994 Fiscal Year Annual Research Report
希土類錯体を利用した新しい薬物レセプターアッセイ法の開発
Project/Area Number |
06241219
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
竹内 俊文 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (70179612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 淳 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (10264954)
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Keywords | 希土類錯体 / 時間分解蛍光法 / レセプターアッセイ / ベンゾジアゼピン / 非放射性 |
Research Abstract |
(1)ベンゾジアゼピン(Bz)の一種である1012-Sを用いてユーロピウム標識Bz(Eu-1012-S)の調製を行ったところ、Eu-1012-Sは、塩基性条件下で、Eu錯体標識試薬と混合することにより簡便に調製可能であった。 (2)Schatchard analysisの結果、Eu-1012-Sの解離定数は1.2nMと推定された。このことより、Eu-1012-Sが、レセプターに対し十分高い親和性があることがわかった。 (3)時間分解蛍光レセプターアッセイの標準操作法を以下のように定めた:Bzレセプター懸濁液(10mMリン酸緩衝液pH7.4)200μlに、試料Bz系薬物溶液(蒸留水又は含水メタノール)25μlと7.5nM Eu-1012-S溶液(10mMリン酸緩衝液pH7.4)25μlを加え、室温で1時間放置する。遠心分離にてB/F分離した後、その上清25μlをとり、あらかじめ96穴マイクロタイタ-プレートに200μlずつ入れてある蛍光増強試薬に加え、5分間振盪して時間分解蛍光計で蛍光強度を測定する。 Bzレセプターアッセイの結果、Bz系薬物は、Bzレセプターに対する親和性の高さの順に、Eu-1012-Sのレセプターへの結合を阻害し、S字型の阻害曲線が得られた。また、測定液中のバックグランド蛍光は、マイクロタイタ-プレート自身の蛍光強度のわずか2倍と極めて低くかった。従って、時間分解蛍光法を用いることにより、従来の蛍光レセプターアッセイで妨害の大きかったレセプター懸濁液由来のバックグランド蛍光の影響をほとんど受けずに蛍光リガンドの定量が可能であることがわかった。以上の結果から、時間分解蛍光法を用いることにより、従来法に比べて簡便な操作で、高感度にBz系薬物のレセプターアッセイが可能であることが示された。
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