1994 Fiscal Year Annual Research Report
ランタノイドビスフタロシアニナト錯体の分光電気化学
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06241221
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳田 耕一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40016548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 武義 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70194347)
北村 房男 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (00224973)
大坂 武男 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (80152099)
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Keywords | 希土類錯体 / フタロンアニン錯体 / 分光電気化学 / 式量電位 / 紫外可視吸収スペクトル / X線構造解析 |
Research Abstract |
本研究は、電気化学および分光電気化学の観点から、一連のランタノイドビスフタロシアニナト錯体、[LnPc_2]^-、の主要なものについて、その電気化学挙動を明らかにし、それぞれの酸化状態における、紫外可視吸収スペクトルをはじめとする分光学的性質を調べ、分子軌道法などによる電子分布・軌道エネルギーの計算に必要なデータを提供することを目的として行われ、次の成果を得た。 1.加熱溶融による錯体合成において、温度制御プログラム化と生成物のカラム分離に先立つ電解処理によって、40%の収率で[(Pc)_2Ln]^-[NBu_4]^+の結晶を得ることに成功した。 2.サイクリックボルタンメトリーにより、o-ジクロロベンゼン中で[LnPc_2]^-は3段階の1電子酸化により[LnPc_2]^<2+>まで酸化され、また3段階の1電子還元により[LnPc_2]^<3->を生成することを明らかにした。 3.薄層分光電解セルによるポテンシオメトリー測定から、2つの酸化過程及び2つの還元過程の式量電位を決定し、これらの値が希土類中心金属イオン半径と密接に関係していることを明らかにした。 4.薄層分光電解セルによる測定から、代表的5種の錯体の種々の酸化状態に置ける吸収最大波長とモル吸光係数とを決定した。 5.得られた単結晶のX線構造解析から、従来から定説とは異なり、2つのフタロシアニン環のなす回転角は中心金属イオンに依存していることを初めて明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hai-Tao XU: "Simultaneous Determination of Dopamine and Ascorbic Acid with Poly(3-methylthiophene)/Polypyrrde Bilayer-Coated Carbon Fiber Electrodes" Anal.Sci.10. 399-404 (1994)
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[Publications] Fusao KITAMURA: "FT-IR study of p-Cyanobenzoate Adsorption on a Polycrystalline Gold Electrode." Denki Kagaku. 62. 532-533 (1994)
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[Publications] Takeo OHSAKA: "Electroglneration of Superoxide Ion in Aqueous Media" J.Deuterium Sci. 4. 44-47 (1994)
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[Publications] Fusao KITAMURA: "Effect of Complexation by Cyclodextrin on the Voltammetric Characteristics of Viologen Adsorbed on an HMDE" J.Electroanal.Chem.368. 281-288 (1994)
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[Publications] 徳田耕一(分担): "先端電気化学" 丸善, 398 (1994)