1994 Fiscal Year Annual Research Report
ランタノイド金属/ハロシラン系から発生させた不安定化学種の利用
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06241276
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
石井 康敬 関西大学, 工学部, 教授 (50067675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 豊 関西大学, 工学部, 専任講師 (30180665)
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Keywords | サマリウム / サマリウム(II) / トリメチルクロロシラン / トリメチルブロモシラン / トリメチルヨードシラン / ヒドロシリル化 / ピナコールカップリング / ラクタム |
Research Abstract |
サマリウム/有機ハロシラン反応系を用いることにより、新規なSm(II)等価体の調製法を見いだし、本方法を用いることにより望ましい反応性ならびに還元力を持つ低原子価サマリウム種の調製に成功した。本研究では以下の点を明らかにした。 (1)金属サマリウムとトリメチルクロロシラン(Me_3SiCl)/ヨウ化ナトリウム(NaI)反応剤またはトリメチルブロモシラン(Me_3SiBr)から調製したサマリウム(II)等価体の反応性を利用し種々のケトンやアルデヒド類の還元二量化反応を行ない、これまでHMPAを添加しないとピナコールカップリングが困難であった基質に対してもMe_3SiBr/Sm反応剤いることにより反応を効率よく進行させることができた。 イミン類とα,β-不飽和エステルのカップリング反応がMe_3SiI/Sm反応剤を用いるよりもMe_3SiBr/Sm反応剤を用いると収率良く進行することがわかった。また、ケトン類とα,β-不飽和エステルより同様にして一段でラクトンが合成できることも明らかとなった。このようにハロシランを選ぶことにより生成する低原子価サマリウム種の反応性を制御でき、それぞれの反応に適したサマリウム種の調製が可能となった。 (3)ジメチルクロロシラン(Me_3SiHCl)を金属サマリウムでもって処理すると、反応性の高い不安定ケイ素種が発生し、続いて微量のパラジウム触媒存在下末端アルキンを加えると好収率でヒドロシル化反応が起こることがわかった。この方法を用いると、パラジウム触媒のみでは困難な比較的不活性なクロロシラン類のヒドロシリル化反応が可能であることがわかった。また、サマリウム種は反応性の低い金属の活性化法として用いることができる。
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Research Products
(1 results)