1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06243103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永長 直人 東京大学, 工学部, 助教授 (60164406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺倉 清之 東京大学, 物性研究所, 教授 (40028212)
町田 一成 岡山大学, 理学部, 助教授 (50025491)
山地 邦彦 通産省工技院電子技術総合研究所, 首席研究官
鈴村 順三 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90108449)
長谷川 泰正 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (20180870)
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Keywords | 有機導体 / 超伝導 / 電子相関 / スピン密度波 / 第一原理バンド計算 / カーボンナノチューブ / 量子ホール効果 |
Research Abstract |
BEDT系、TMTSF系は超伝導、SDW、金属-絶縁体転移など多彩な相図を示し、電子相関を研究する格好の舞台を提供しているがこれについては以下の成果が得られた。超伝導の対称性の問題に重要な情報を与えるNMRのT^<-1>_1、特に転移温度T_C直下のコヒーレンスピークの理論的解析を電子間相互作用からくる準粒子の寿命を取り入れて行いs波超伝導でもコヒーレンスピークが見えない場合があることを示した。(山田)また(BEDT)_2KHg(SCN)_4における梶田振動の異常な振舞いに対してSDW等による周期ポテンシャルを取り入れた理論モデルが提唱されmagnetic breakdownの効果をも含めた量子力学的計算がなされた。(町田、吉岡)その結果、大枠は密度波形成によるブリュアンゾーンの折り畳みのアイデアが正しいことが見いだされ実験結果が再現されたが、さらに新しい現象も予言された。TMTSF系ではSDW及び磁場有機SDW(FISDW)が顕著な現象の1つであるが、SDWの量子ダイナミックスと1次元非フェルミ流体との関係が明かにされ、また赤外吸収、NMRのT^<-1>_1、μ-SR等の実験が解析された。(永長)FISDW及びそこでの量子ホール効果については3次元のモデルにおいてもホールコンダクタンスの量子化が起こることが示された。(長谷川) dmit系等に対応する2バンド1次元モデルが小数系の数値的厳密対角化により調べられクーロン斥力のみによる超伝導機構が提唱された。(山地)またボゾン化法により同様のモデルのCDWと超伝導との競合が明かにされた。(鈴村) DCNQI系では第一原理大規模バンド計算により単位胞に大きな数の原子をふくむ複雑な構造であるにもかかわらず簡単なタイトバインディングでよく再現されるバンド構造が得られることが初めて確認された。(寺倉)またこの系の電子相関の効果がスレーブボゾン法により調べられ、相図及び磁化率や比熱の振舞いが計算され実験とよい一致を得た。(鈴村) 螺旋構造カーボンナノチューブの電子状態を詳細に調べフェルミ準位近傍に5員環や7員環に局在した状態に由来する鋭い状態密度のピークが出来ることなどを見いだし、位相幾何学的な効果による局在状態の出現を明かにした。(塚田)
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Research Products
(12 results)
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[Publications] M.Kato: "Theory of Metal Insvlator Trasition of DCNQI-Cu" Physica B. 194-196. 1257-1258 (1994)
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[Publications] K.Yamaji: "Svperconclvctivity indications of the two-chain Hubbarol model dve to the two-bancl effect" Physica C. 235-240. 2221-2222 (1994)
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[Publications] K.Machida: "Field-irclvceol Spindensity wave and quantum Hall effect in CTMTSF)xX" Physica B. 201. 487-489 (1994)
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[Publications] K.Akagi: "Electronic Structure of Helically Coiled Cage of Graphitic Carbon" Phys.Rev.B. (発表予定).
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[Publications] R.Tamura: "Disclinations of monolayer grophite and their electronic states" Phys.Rev.B. 49. 7697-7708 (7697)
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[Publications] Y.Yamada: "Unified View on Conductivity and Specific Heat in DCNQI-Cu Systems" Journal of Physics:Condered Matter. (発表予定).
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[Publications] Akira Furusaki: "Random Exchange Heisenburg Chain for Classical and Quantvm Spins" Phys.Rev.Lett.73(19). 2622-2625 (1994)
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[Publications] Naoto Nagaosa: "Bipolaron Picture of Spin Gap State in One-Dimensional Systems" Solid State Commun.(発表予定).
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[Publications] K.Machida: "Qvtantvm Hall condvctance and its sign reversal in field-induced spin-density waves" Phys.Rev.B. 50. 921-931 (1994)
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[Publications] Y.Hasegawa: "Qvantvm Hall Effect in the Field-Irduced Spin Density wave state" Journal of Svpercondvctivity. 7. 757-762 (1994)
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[Publications] T.Ogawa: "Peierls Transition of Strorgly Correlated DCNQI-Cu Salts" J.Phys.Soc.Jpn. 63-6. 2066-2068 (1994)
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[Publications] H.Yoshioka: "Two Couped Chains of Tomonaga Model" J.Phys.Soc.Jpn. 63-12. 4298-4301 (1994)