1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06243103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永長 直人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60164406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 一成 岡山大学, 理学部, 教授 (50025491)
山地 邦彦 通産省工業技術院, 電子技術総合研究所, 首席研究官
吉岡 大二郎 東京大学, 教養学部, 教授 (30114713)
鈴村 順三 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90108449)
長谷川 泰正 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (20180870)
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Keywords | 有機導体 / 超伝導 / 電子相関 / スピン密度波 / 第一原理バンド計算 / カーボンナノチューブ / 量子ホール効果 |
Research Abstract |
分子性物質の多体論的電子状態の研究を、実験グループとの緊密な強力関係のもとに遂行した。主な実績は以下の通り。 (1)準2次元導体の超伝導 BEDT塩の超伝導状態における核磁気共鳴の緩和時間T_1を計算し、実験と比較検討を通じて反強磁性揺らぎを評価した。(山田)TMTSF塩における磁場誘起SDW状態の強磁場下での超伝導の理論を構築し異方的超伝導の転移温度を計算した。(長谷川) (2)準2次元導体の強磁場物性 TMTSF塩やBEDT塩における磁場下での輸送現象につき、磁気貫通効果の定量的理論の構築(町田)や周期ポテンシャルの効果の研究(吉岡)などを行い、一次相転移現象や角度依存磁気抵抗などの実験をほぼ完全に説明した。 (3)DCNQI塩の電子相関と金属-絶縁体転移 DCNQI塩において置換基R_1,R_2や金属元素Mを色々と変えて第一原理バンド計算を行い、M=Cuの場合には3倍周期の不安定性があること、R_1=R_2=Iのときには他の置換基とは全く異なる物性を示すことなどを明かにした。(寺倉)スレーブボゾン法により、金属-絶縁体転移を調べ比熱の飛びの異常や電子状態密度の特徴を明かにした。(鈴村) (4)1次元系の強相関効果 2鎖ハバ-ド模型の超伝導に関しクーロン斥力の対破壊効果を数値的に調べ、それがあまり大きくないことを明かにした。(山地)1次元モット絶縁体の光スペクトルの理論を構築しいくつかの実験を説明するとともに実験の提案を行った。(永長) カーボンナノチューブ 螺旋構造カーボンナノチューブのバンド構造の特徴とフェーゾンラインパターンの関数を総合的に明かにした。(塚田)
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Nagaosa and M.Kohmoto: "Edge and Bulk of the Fractional Quantum Hall Liquids" Phys.Rev.Lett.75. 4294-4297 (1995)
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[Publications] D.Yoshioka: "Angular Dependenc Magnetoresistance Oscillation of a Quasi-Two-Dimensional System in a Periodic Potential" J.Phys:Soc.Jpn. 64. 3168-3171 (1995)
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[Publications] T.Ogawa and Y.Suzumura: "Theory of the metal-insulator transition in dicyanoguinonediimine Satt mixed-valence organic conductors" Phys.Rev.B. 51. 10293-10300 (1995)
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[Publications] T.Miyazaki,K.Terakura,Y.Morikawa and T.Yamasaki: "First-Principles Theoretical Study of Metakkic Statcs of DCNQI-(Cu,Ag)Systems:Simplicity and Variety in Complex Systems" Phys.Rev.Lett. 74. 5104-5107 (1995)
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[Publications] S.Koike and K.Yamaji: "Superconductivity in the Two-Chain Hubbard Model Including the Interchain Coulomb Interaction" J.Phys.Soc.Jpn. 65. 327-328 (1996)
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[Publications] K.Akagi,R.Tamura,M.Tsukada,S.Itoh and S.Ihara: "Electronic Structure of Helically Coiled・Cage of Graphitic Carbon" Phys.Rev.Lett. 74. 2307-2310 (1995)