1994 Fiscal Year Annual Research Report
新規安定ラジカルの両性多段階酸化還元挙動と単一成分有機電導体への展開
Project/Area Number |
06243204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 孝紀 東北大学, 理学部, 助手 (70202132)
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Keywords | 安定ラジカル / 開殻型分子 / 有機電導体 / 単一成分有機電導体 / 両性多段階酸化還元 / レドックス系 |
Research Abstract |
本研究では電気化学的両性度の高い新規な安定ラジカルを合成単離し、その単一成分有機電導体としての有効性を検討する事を目的としている。実際の分子設計に於いては、電子供与性(D)及び受容性(A)双方の部分構造を一分子内に含むA-π-D^・型の中性ラジカルを設計した。平成6年度にはD^・骨格となるピリジル基のN上に、長さの異なるアルキル鎖を有するR-1の研究を行なった。得られたラジカルは高い電気化学的両性度を有し、またRの長さによってその酸化還元挙動は変化しない。しかし、その電導性はRの長さにより系統的に変化することが見いだされた。メチルおよびペンチル体のX線構造解析によれば、これらのラジカルはいずれもA^<-・>-π-D^+型の分極構造を有していることが示され、また結晶中に於ける分子の重なりも非常に良く似ている。しかし、Rが長くなるにつれて結晶構造の二次元性が顕著に低下し、これが電導性の変化につながっていることが明らかとなった。
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