1994 Fiscal Year Annual Research Report
合成ガスからのメタノール合成用触媒の高性能化に関する研究
Project/Area Number |
06246218
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
若林 勝彦 九州大学, 工学部, 教授 (20220832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 秀夫 九州大学, 工学部, 助手 (70221463)
岸田 昌浩 九州大学, 工学部, 助手 (60243903)
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Keywords | 一酸化炭素の触媒水素化 / メタノール合成 / マイクロエマルジョン / 新規触媒調整法 / ジルコニア担持パラジウム触媒 |
Research Abstract |
本研究は、合成ガスからのメタノール合成用触媒の高活性化を図ることを目的とし、そのために本研究室で開発しているマイクロエマルションを用いた新規調整法(ME法)を貴金属触媒に対して適用し、以下の知見を得た。 1.ジルコニア担持貴金属触媒においてME法触媒は従来の含浸法触媒と比較して、生成物選択性はあまり変わらないが、活性が著しく高いことがわかった。また、その活性は長時間反応(20時間)においても低下しなかった。 2.検討した金属種の中ではPdが高いメタノール合成能をもつことがわかり、ME法Pd触媒について各種検討を行った。 3.透過型電子顕微鏡観察およびX線回折測定を行った結果、ME法Pd触媒のPd粒子径は従来の含浸法触媒よりも小さく(約3nm)かつ粒子径分布がシャープであることがわかった。したがって、ME法Pd触媒の活性が含浸法触媒よりも高いのは、Pd粒子径が小さいことが原因であることが示唆された。 4.Pd触媒の活性向上のためにはPd粒子径を制御する必要があることがわかったので、マイクロエマルションの形成条件(金属塩水溶液濃度、水と界面活性剤モル比など)を変えることにより、Pd担持量が一定のもとでのPd粒子径の制御を試みた。その結果、原料Pd塩濃度を変化させて触媒を調整することによって、Pd粒子径が制御できることがわかった。また、それらの反応特性を調べたところメタノール選択性はPd粒子径には依存しなかったが、触媒活性はPd粒子径が小さいほど高くなることがわかり、Pd粒子径の最も小さい触媒(2.5nm)では含浸法触媒の約3倍もの高い活性を得ることができた。
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