1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06248211
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
市村 徹 新潟大学, 理学部, 助手 (50213012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 浩 敬和学園大学, 教授 (40018239)
小俣 三郎 新潟大学, 理学部, 教授 (40032156)
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Keywords | リボソーム受容体 / 粗面小胞体 / 蛋白質の輸送機構 / 膜透過装置 / ラット肝臓 / 分泌蛋白質の生合成 |
Research Abstract |
粗面小胞体膜に存在するリボソーム受容体を同定しその機能を明らかにすることを目的とした研究の一環として、本年度は2種のスチルベン誘導体(DIDSとSITS)を用いて実験を行った。 これらの化合物は、従来赤血球膜のアニオントランスポーターの阻害剤として広く用いられていたものであるが、これらはリボソーム受容体にも作用しそのリボソーム結合活性を阻害することを見い出した。そこでDIDSとSITSの標的となる小胞体膜蛋白質を解析したところ、主要な成分として分子量34kDaの蛋白質が検出された。この蛋白質は以前よりリボソーム受容体の候補蛋白質として知られていたp34蛋白質であることがp34の抗体を用いたウエスタンブロッテイングと免疫沈殿実験により明らかになった。 次にp34のリボソーム結合活性は小胞体膜(ラット肝臓から調製したもの)の全活性の内、どれくらいの割合を占めているのかを、既報の再構成法を用いて解析したところ約80%の活性に相当していることが分かった。またこの際、イヌ膵臓の小胞体膜で主要なリボソーム結合活性を有していると報告されているSec61蛋白質はほとんど役割をもっていないことも明らかになった。そこでp34のリボソーム結合活性がDIDSとSITSによって阻害されるかどうかを、精製したp34を用いて解析したところ、DIDSとSITSの量に依存して阻害をうけることが分かった。以上の結果から、少なくともラット肝臓の粗面小胞体においてはp34がリボソーム受容体として主要な役割を担っていると考えられた。
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Research Products
(1 results)