1994 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソームの形成に伴う蛋白質のソーティング機構
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06248227
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
大隅 隆 姫路工業大学, 理学部, 教授 (50111787)
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Keywords | ペルオキシソーム / PPAR / RXR / ペルオキシソーム増殖剤 / ペルオキシソーム形成因子 / カタラーゼ / 蛍光抗体法 / ペルオキシソーム欠損症 |
Research Abstract |
1.ペルオキシソーム増殖剤によるβ酸化系遺伝子の誘導に関与するといわれている核内レセプターのPPARの細胞内動態を、細胞へのトランスフェクション実験によって調べた。PPARの発現ベクターを種々の培養細胞に導入し、蛍光抗体法で観察したところ、PPARは核に局在することがわかった。また細胞の種類によっては、トランスフェクションが起こった細胞のうちPPARを発現している細胞が異常に少ないという現象が認められた。PPARとヘテロダイマーを形成するといわれているレチノイドXレセプター(RXR)を共発現させたところ、PPAR発現細胞の比率が顕著に上昇した。放射性メチオニンによるパルス標識実験の結果、発現の悪い細胞ほどPPARの寿命が短い傾向が見られたが、RXRの共発現によってそれが改善される兆候はなかった。このため細胞によるPPARの発現効率の差を、PPARの細胞内寿命から説明することはできなかった。 2.ペルオキシソーム形成には多くの蛋白質因子が関与していると予測されるが、高等動物のそのような因子の同定は、あまり進んでいない。酵母で広く行われているような、突然変異株への相補活性に基づく遺伝子のクローニングは、技術的困難のためにひとつの因子(PAF-1)について成功しているのみであった。そこでこの困難を克服する試みを行った。一回の実験でスクリーニングできるクローンの数を飛躍的に高め、スクリーニングに要する時間を短縮することを目標に、遺伝的ペルオキシソーム欠損細胞に一過性にcDNA発現ライブラリーのプールをトランスフェクションし、ペルオキシソーム形成能を回復した細胞を抗カタラーゼ抗体を用いた蛍光抗体染色によって検出するという方法で実験を行った。この方法により実際に2カ月のうちに、35万個の独立cDNAクローンから、一個の新しい因子のクローン(PAF-2)を単離することに成功した。
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