1994 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度HPLC/レーザー蛍光法による中枢シナプスの逆行性情報伝達物質の検索
Project/Area Number |
06253202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤田 嗣郎 東京大学, 工学部, 教授 (90011105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北森 武彦 東京大学, 工学部, 助教授 (60214821)
大久保 明 東京大学, 農学部, 助教授 (20111479)
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / レーザー / レーザー蛍光法 / プロスタグランジン / アラキドン酸 |
Research Abstract |
シナプスでの逆行性する情報伝達物質としてアラキドン酸とその代謝物が想定されている。これを証明するには、アラキドン酸と代謝物の存在、放出、作用を確認する必要がある。しかし、シナプスのような微小且つ微量しか得られないサンプルでは、感度の点から従来の分析法では困難が予測される。我々は、レーザー励起蛍光法(LIF)とHPLCを組合わせたHPLC/LIFを開発し、100amolレベルの分離検出に成功し、RIAに比較して1〜2桁程度高感度な分析法を開発した。本研究ではHPLC/LIFによりこれらの物質群を高感度にしかも多種類同時に分析し、アラキドン酸などが存在することを分析化学的に確かめることを目的とした。このために分析ソフトとして微小且つ微量しか得られない神経細胞に適した前処理法を開発した。以下に成果の概要を述べる。 (1) 代謝物のプロスタグランジンについては、前年度までに見出した、ADAM(蛍光標識剤)化すると分子内水素結合のためと思われる特異な分離挙動を利用して、逆相分取、順相分析の分析手順を考察し、より精度の高い分離を可能にした。その結果、超感度検出でもバックグラウンドは安定し、経口投与のプロスタグランジン製剤から血清への移行をpg/mlのレベルで検出できた。 (2) アラキドン酸の分離条件を(1)を基本に特定した。ADAM化した脂肪酸の極性は低く順相での不純物分離が難しくなるが、先の分子内水素結合性の挙動を利用し、精密分離できるメタノール:水の混合比を特定できた。 (3) 以上の方法をもとに、アラキドン酸をサブ-ng/mlレベルで分析できる見通しを得た。分析条件を特定する根拠を得たので、今後、強極性のグルタミン酸に対する分析条件を同様に特定する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.SAKAE,A.HARATA,T.KITAMORI,T.SAWADA,ほか: "Simul taneous Determiation of Ultratrace Prostaglandins in Biological Samples with lligh-Performance Liquid Chromatography/Laser-Induced Fluorometry" Microchemical Journal. 49. 355-361 (1994)
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[Publications] M.HARADA,M.SHIBATA,T.KITAMORI,T.SAWADA: "Application of Coaxial Beam Photothermal Microscopy to the Analysis of a Single Biological Cell in Water" Analytica Chimica Acta. 343-347 (1995)
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[Publications] T.ODAKE,T.KITAMORI,T.SAWADA: "Photothermal Effects in a Capillary and Optimum Conditions for Absorbance Detection of Capillary Electrophoresis" Analytical Chemistry. 145-148 (1995)