1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06260238
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金子 章道 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00051491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 恭一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70138121)
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Keywords | 水平細胞 / α-アミノ酪酸 / 網膜 / GABA_C受容体 / GABA輸送 |
Research Abstract |
網膜GABA作動性のニューロンには水平細胞とアマクリン細胞とがある。水平細胞は錐体視細胞へ、アマクリン細胞は双極細胞へネガティブフィードバックをかけ、受容野周辺部を形成にあずかっている。最近、水平細胞自身もGABAに対する感受性を持っていることが明らかになった。そこで本研究では、アメリカナマズから単離した網膜水平細胞からパッチ電極で記録を行い、GABA受容体の性質とその生理学的意義を解析した。その結果、水平細胞のGABA応答にはGABA_C受容体を介する応答と、GABAの輸送に伴う電流の2成分が見いだされた。Cl^-によって運ばれるGABA_C応答は全電流応答の約80%を占め、脱感作を示さず、ピクロトキシン(100μM)によってブロックされた。EC_<50>は2μM、反転電位はCl^-の平衡電位に極めてよく一致した。水平細胞の細胞内Cl^-濃度は約40mM、この値から求めたCl^-の平衡電位は約-30mVであった。水平細胞からのGABAの放出は水平細胞の脱分極に伴って起こるから、この結果は、GABAは水平細胞を脱分極させ、水平細胞にポジティブフィードバックを掛けることを意味している。一方、GABAの輸送に伴う電流は細胞外液のNa^+とCl^-を必要とし、nipecoticacidやSKF89976Aによってブロックされた。この輸送は2Na^+:1Cl^-:1GABAの比で作動しているものと考えられ、水平細胞の細胞内GABA濃度を10mM,Na^+濃度を10mM,Cl^-濃度を40mMとすると、細胞間隙のGABA濃度は光応答に伴って2‐10μMの範囲で変化するものと考えられた。
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[Publications] Kaneko,A.,de la Villa,P.,Kurahashi,T.& Sasaki,T.: "Role of L‐glutamate for formation of ON‐and OFF‐responses in the retina." Biomed.Res.15(Suppl.1). 41-45 (1994)
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[Publications] Takahashi,K.,Miyoshi,S.& Kaneko,A.: "Two components of GABA‐induced currents in catfish retinal horizontal cells." Jpn.J.Physiol.44(Suppl.2). S141-144 (1994)
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[Publications] de la Villa,P.,Kurahashi,T.& Kaneko,A.: "L‐Glutamate‐induced responses and cGMP‐activated channels in three subtypes of retina bipolar cells dissociated from the cat." J.Neurosci.印刷中
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[Publications] Shen,J.,Watanabe,S.& Kaneko,A.: "Cell dissociation with papain reduces the density of cGMP‐activated channels of the retinal rod." Jpn.J.Physiol.45. 印刷中
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[Publications] 倉橋隆、金子章道: "光フラッシュによる嗅細胞情報変換システムの活性化と解析" 日本味と匂学会誌. 1. S241-S244 (1994)
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[Publications] 伊藤嘉邦、倉橋隆、金子章道: "匂い刺激用圧力制御装置の開発" 日本味と匂学会誌. 1. S245-S248 (1994)
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[Publications] 松田十四、羽柴基之、馬場駿吉、倉橋隆、金子章道: "イモリ単離嗅細胞における嗅覚感度の測定" 日本味と匂学会誌. 1. S249-S252 (1994)