1994 Fiscal Year Annual Research Report
新たに発見された蛋白質阻害剤によるGRP78の誘導機構
Project/Area Number |
06261224
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (30179569)
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Keywords | 小胞輸送 / ホスホリパーゼA_2 / 熱ショック蛋白質 |
Research Abstract |
我々はゴルジ体内小胞輸送のアッセイ系を用いて、阻害剤をスクリーニングしている時にホスホリパーゼA_2阻害剤が小胞輸送を阻害することを見いだした。そして、用いた9つの阻害剤においてホスホリパーゼA_2活性の阻害と小胞輸送の阻害の間によい相関関係があることを報告した(Tagaya et al.(1993)FEBS Lett.324,201-204)。本年度の研究において、私達は膜透過可能なホスホリパーゼA_2阻害剤であるノルジヒドログアイアレチン酸がタンパク質の小胞体からゴルジ体への輸送を阻害することを見いだした。この阻害剤はプレフェルジンAによって引き起こされるゴルジ体から小胞体への逆輸送の経路も阻害した。この化合物の阻害する段階は順輸送、逆輸送ともに小胞の融合段階であり、輸送が抑制された結果として小胞体におけるGRP-78が誘導されることがわかった。GRP-78はカルシウムイオノフォア処理、ツニカマイシン処理、グルコース飢餓などで誘導されるシャペロンの一種であり、酵母の相同タンパク質(KAR2p)はタンパク質輸送が阻害されると誘導されることが知られている。ノルジヒドログアイアレチン酸は輸送の阻害効果以外に強いタンパク質合成阻害効果を示し、30μMの濃度でタンパク質合成は約90%阻害された。しかしながら、その条件下でもGRP-78の誘導は引き起こされた。現在、この誘導がmRNAの転写の活性化によるものなのか、それともmRNAの安定化によって引き起こされているのかを調べている。
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