1994 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期制御におけるCa^<2+>シグナルの伝達機構と役割の分子生物学的研究
Project/Area Number |
06262226
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
飯田 秀利 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (70124435)
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Keywords | 細胞周期 / カルシウム / シグナル伝達 / 分子生物学 / 酵母 / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、酵母を材料として、細胞周期に関連したCa^<2+>の動員とCa^<2+>シグナルの受容と伝達の分子機構を明らかにすることである。前年度までに、Ca^<2+>の流入に欠損を持つmid1変異株、およびCa^<2+>シグナルの受容または伝達に欠損をもつと予想されるmid2変異株とmid5変異株の分子生物学的解析を行った。本年度は、mid1変異株とmid2変異株に関して解析の最終段階を完了し、それぞれ論文発表した。一方、mid5変異株に関しては次の研究成果を得た。まず、mid5変異株は性フェロモンの作用によりshmooと呼ばれる細胞に分化した後死ぬだけでなく、細胞周期から離れてG_0期の条件下でも死に易いこと、および増殖に関して温度感受性を示すことをを明らかにした。また、MID5遺伝子は、哺乳類のMAPキナーゼキナーゼキナーゼ(MEKK)と相同な酵素をコードしているBCK1遺伝子と同一であることを明らかにした。興味深いことに、これまで他の研究グループにより、PKC1→BCK1→MKK1&2→MPK1というMAPキナーゼカスケードが存在し、それが浸透圧の調節に機能することが示されていた。しかし、性フェロモンの作用後にこのカスケードを構成するキナーゼ群が機能しているかどうかは調べられていなかった。そこでそれを調べた結果、MID5(BCK1)遺伝子の下流ではたらくMKK1&2遺伝子あるいはMPK1遺伝子の欠損株はそれぞれ、性フェロモンを作用させるとmid5変異株と同様に細胞分化した直後に死んだ。ただし、PKC1欠損株だけは性フェロモンによって分化せず死ななかった。この結果は、このカスケードのうちMID5以下のキナーゼ群は分化した細胞の性接合過程に重要な役割をしていることを示唆する。
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[Publications] Hidetoshi Iida: "MID1,a novel Saccharomyces cerevisiae gene encoding a plasma membrane protein,is required for Ca^<2+> influx and mating" Mol.Cell.Biol.14. 8259-8271 (1994)
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[Publications] Tomoko Ono: "The MID2 gene encodes a putative integral membrane protein with a Ca^<2+>-binding domain and shows mating pheromone-stimulated expression" Gene. 151. 203-208 (1994)
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[Publications] Hidetoshi Iida: "Calmodulin-dependent protein kinase II and calmodulin are required for induced thermotolerance in Saccharomyces cerevisiae" Curr.Genet.27. 190-193 (1995)