1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト遺伝病のATを用いた放射線損傷に関係するDNA修復遺伝子の単離と解析
Project/Area Number |
06263206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江島 洋介 京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (50127057)
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Keywords | DNA修復 / ヒト遺伝病 / 放射線感受性 / 放射線ハイブリド / IRS-PCR |
Research Abstract |
放射線高感受性を特徴とするヒト遺伝病のAT(アタキシア・テランジェクタシア)を用いて放射線損傷に関係するDNA修復遺伝子を単離することを目的として研究をおこない以下の成果を得た。 1.ATの原因遺伝子はヒト染色体11q23領域に座位する。ここに切断面ともつX/11転座染色体を放射線で断片化して11q23領域の微小ヒト断片をもつ放射線ハイブリドを作成した。AT細胞の放射線高感受性を相補する1クローンRH12/1と、相補しない2クローン(MH12/1,MH12/3)が得られたので、両者の差異領域にAT遺伝子が存在するという仮説を設定して以後の解析をすすめた。 2.11q23領域の11個のDNAマーカーの存否を調べた。3クローンともD11S144とD11S351の2マーカーのみを保持して他のマーカーを欠失し、RH12/1に固有の既知のマーカーはなかった。リンケージ解析からAT遺伝子にもっとも近接するとされるD11S384をも欠いていることが注目され、遺伝子がD11S384よりテロメア側DRD2〜D11S351領域内にあるという新しい可能性を示唆する。 3.sCoS1をベクターに用いてRH12/1からコスミドライブラリーを作成した。50万個のクローンから256個のヒト由来のクローンを分離し、21個の11番染色体由来クローンを同定したが、この中にはAT遺伝子を含むものはなかった。一方IRS-PCR法でRH12/1からヒトDNAを特異的に増幅し、このなかから産物のなかから単離したプラスミドpBM8.9は11番染色体上のRH12/1に固有の領域内にあることがわかり、AT遺伝子にきわめて近接する可能性が高い。このマーカーをもとにコスミドを単離し、ATの放射線感受性を正常化する遺伝子を探索してゆきたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.V.Kato: "Parental Origin od germ-line and somatic mutations in the retinoblastoma gene" Human Genetics. 94. 31-38 (1994)
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[Publications] K.Ishizaki: "Increased UV-induced SCEs but normal repair of DNA damage in p53-deficient mouse cells" Int.J.Cancer. 58. 254-257 (1994)
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[Publications] Y.Ejima: "Ataxia-telangiectasia" Springer-Verlag(R.A.Gatti and R.B.Painter Eds.), 283 (1993)