1994 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド・MHCクラスI分子に対する免疫寛容の成立機序の解析
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06265208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝口 雅文 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00183450)
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Keywords | HLAクラスI抗原 / HLAクラスI抗原結合ペプチド / ペプチドモチーフ / T細胞 / 免疫寛容 |
Research Abstract |
自己の抗原に対する寛容の成立は、主に胸腺において自己のMHC-ペプチド複合体をT細胞が認識して、ネガティブセレクションがおこることによると考えられている。この免疫寛容の成立に最も大きな影響を与えるHLAクラスI分子に結合するペプチドの解析は、まだきわめて限られている。そこで多数のHLA class I allele分子に結合する自己抗原ペプチドを解析した。精製したクラスI分子より結合ペプチドを分離、HPLCにて分画した後、ピーク分画およびそれ以外の分画をプールしたものについて、エドマン法によりアミノ酸解析した。この結果、HLA-A1,-A11,-A31,-A33,-B35,-B38,-B39,-B51,-B52,-B78,-B58,-B60,-B61,-B62に結合している自己抗原ペプチドのモチーフを明らかにすることができた。さらにHLAクラスI分子と多数のペプチドの結合を測定できる系を開発し、これを用いてHLA-B35分子とペプチドの結合について解析した。118個の9-merペプチドとHLA-B^*3501分子との結合では、9番目がTyrのときは最も結合力が強く、Phe,Leu,Ile,Metの順であった。これはプールした自己抗原ペプチドをエドマン法により解析した結果とほぼ一致していた。C末端がTyrである100個の8-12 merの合成ペプチドとHLA-B^*3501分子との結合を解析したところ、10-merから12-merの長いペプチドでも効率的にHLA-B^*3501分子と結合できることが明らかになった。さらにペプチドのアンカー(2番目と9番目)以外の部位がHLA-B^*3501との結合に影響を与えないかを118個の9-merを用いて調べたところ、1,3,4,5,7番目の部位でもHLA-B^*3501分子への結合に影響を与えることが明らかになった。このことより、ペプチドとHLAクラスI分子の結合にはペプチドのアンカー部位が最も重要だが、アンカー以上の部位も強く影響を与えることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yuji Takamiya: "HLA-B^*3501-peptide interactions:Role of anchor residues of peptides in their binding to HLA-B^*3501 molecules." International Immunology. 6. 255-261 (1994)
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[Publications] Yoshifumi Beck: "Expression of human minor histocompatibility antigen on cultured kidney cells." European Journal of Immunology. 23. 467-472 (1993)
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[Publications] Masayuki Sekimata: "Different effect of substitutions at residue 224 and 228 of MHC class I on recognition of CD8." Journal of Immunology. 150. 4416-4426 (1993)
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[Publications] Kristen Falk: "Peptide motifs of HLA-A1,-A11,-A31 and -A33 molecules." Immunogenetics. 40. 238-241 (1994)
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[Publications] John Sidney: "Several HL A alleles share overlapping peptide specificities." Journal of Immunology. 154. 247-259 (1995)
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[Publications] Yoshifumi Beck: "Polymorphism of human minor histocompatibility antigen:T cellrecognition of human minor histocompatibility peptides prescnted by HLA-B35 subtype molecules." Journal of Experimental Medicine. (印刷中).