1994 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞アポトーシスに基づく自己トレランスの制御機構の研究
Project/Area Number |
06265218
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鍔田 武志 京都大学, 医学部, 助教授 (80197756)
|
Keywords | Bリンパ球 / アポトーシス / 抗体レセプター / CD40 / CD40L / トレランス / Tリンパ球 / 分化 |
Research Abstract |
B細胞抗原CD40を介するシグナルが正常B細胞の抗原レセプター(細胞表面免疫グロブリン:sIg)クロスリンクによるアポトーシスを阻害するか検索した。正常マウス腹腔に抗Ig抗体を投与し、sIgを強くクロスリンクして腹腔B細胞のアポトーシスを誘導する系に抗CD40抗体を加えても腹腔B細胞のアポトーシスは阻止できなかった。このようなin vivoに抗体を投与する系では、十分量の抗体を投与できなかった可能性があったので、少量の抗体で検索できるようなin vitroの系を用いてCD40シグナルの正常B細胞のアポトーシスへの作用を検索した。我々は、マウス脾臓B細胞をin vitroでビオチン化抗Ig抗体とアビジンの組み合わせ、または固相化抗Ig抗体によりsIgを強くクロスリンクすることによりB細胞の細胞死を誘導する事を示し、腹腔B細胞のみならず脾臓B細胞もsIgの強いクロスリンクにより死滅するこを示した。さらに、我々はこの系を用いて抗CD40抗体や、CD8αとCD40Lのキメラ分子が脾臓B細胞のsIgクロスリンクによる細胞死を抑制することを示し、活性化T細胞上のCD40のリガンドであるCD40L分子がB細胞に反応するとB細胞の抗原による細胞死を抑制することを明らかにした。この結果は、抗原と反応したB細胞が細胞死をおこしてトレランスが誘導されるか、活性化して抗体反応をおこすかの決定でCD40L/CD40系の重要な役割を果たすことを示唆している。 また、SRαプロモーターによって制御されるCD40L遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを樹立した。このマウスでは、CD40Lの発現レベルが低く、フローサイトメトリーでCD40L分子の過剰発現は観察できなかったが、リンパ節でプラズマの細胞の増生を認め、CD40シグナルがB細胞の分化に重要であることが明らかとなった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Tsubata,T.,Murakami,M.Honjo,T.: "Antigen reseptor cross-linking induces peritoneal B-cell apoptosis in normal but not autoimmunity-prone mice." Current Biology. 4. 8-17 (1994)
-
[Publications] Nisitani,S.,Tsubata,T.Honjo,T.: "Lineage marker-negative lymphocyte precursors derived from embryonic stem cells in vitro differentiate into mature lymphocytes in vivo." International Immunology. 6. 909-916 (1994)
-
[Publications] Murakami,M.,Tsubata,T.,Shinkura,R.,Nisitani,S.,et al.: "Oral administration of lipopolysaccharides activates B-1 cells in the peritoneal cavity and the lamina propria of the gut and induces autoimmune symptoms in an autoantibody transgenic mouse." Journal of Experimental Medicine. 180. 111-121 (1994)
-
[Publications] Tsubata,T.,Murakami,M.,Nisitani,S.and Honjo,T.: "Molecular mechanisms for B lymphocyte selection induction and regulation of antigen receptor-mediated apoptosis of mature B cells in normal mice and their defect in autoimmunity-prone mice." Proc.R.Soc.Lond.B.345. 297-301 (1994)