1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06266203
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北嶋 繁孝 九州大学, 医学部, 助教授 (30186241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉櫻 拓 東京医科歯科大学, 難沼疾患研究所, 助手 (30227334)
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Keywords | 基本転写因子TFIIF / リン酸化制御 / 転写開始複合体 / シグマホモロジー |
Research Abstract |
1)基本転写因子TFIIFのリン酸化による機能制御 TFIIFはRAP30、RAP74のサブユニットからなるヘテロテトラマ-である。RAP30はRNAポリメラーゼIIと結合し本酵素をDB複合体にリクルートする働きがあるが、さらにRAP30はポリメラーゼIIと結合するとそのDNA結合活性がアンマスクされプロモーターDNAと非特異的に結合し、転写開始複合体を安定化させる。一方、RAP74は、転写開始から数baseのtranscript合成後の極めて早期に作用して、ポリメラーゼIIのプロモーターからのエスケープに働くとされる。またRAP74は、in vivoでは強くリン酸化されており、事実、180-356アミノ酸領域には、A-キナーゼ、C-キナーゼ、CaseinキナーゼIIによりリン酸化される部位が存在し、特に,306,340,346にはCK-IIによるリン酸化のコンセンサス配列が集簇している。今回、脱リン酸化RAP74(大腸菌によるリコンビナント)とリン酸化RAP74(HeLa細胞)との性質をin vitroで比較することにより、RAP74が転写開始複合体形成を制御出来ること、そのリン酸化はポジテイヴに機能調節していることを示した。基本転写因子の機能がリン酸化によって制御されることを示したはじめての報告である(J.Biol.Chem.1994)。 2)RAP74のE.coli転写系の促進作用 大腸菌のin vitro転写系はcoreRNAポリメラーゼとシグマ因子とで起こり、真核細胞に比べ転写反応にかかわる因子の数は少なく、その転写開始反応機構についてははよく研究されている。一方、TBP,IIB,IIE,IIFには、シグマホモロジーが散見され、各因子とシグマ因子との機能的関連性が示唆されている。そこで、これらの大腸菌転写系に及ぼす効果を調べたところ、TFIIF,しかもRAP74がバクテリアの転写を遺伝子非特異的に促進することがわかった。RAT74の作用展は転写開始反応であり、RNAポリメラーゼの遺伝子プロモーターへの結合を促進した。しかし、シグマ因子に置き変わることはではなかった。更に、RAP74のdeletion mutantをテストしたところ、この作用はRAT74のシグマホモロジー領域にマップできず、TBP,IIB,IIE,RAP30に作用がないことから、シグマホモロジー以外のRAP74特異的な機能であると考えられた(Biochem.Biophys.Acta.1994)。
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[Publications] Kitajima,S.et al.: "Regulation of the human general tranecuption facfor TFIIF by phosphorylation" J.Biol.Chem.269. 29970-29977 (1994)
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[Publications] Chibazakura,T.et al.: "Enhancement of bacterial tramuiption in itro by 74KDa subunit of TFIIF" Biochim.Biophys.Acta. 1219. 592-600 (1994)