1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06267209
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 忠雄 名古屋大学, 化学測定機器センター, 助教授 (70093028)
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Keywords | ガングリオシド / GM3 / GD3 / シアル酸 / イズロン酸 / エピメリ化 / グルクロン酸 |
Research Abstract |
(1)2β-クロロ-3β-フェニルチオシアル酸(1)を用いる方法論を開発・展開して、GM3およびジシアロ体のGD3の大量合成の検討を行なった。 まずシアル酸から重要中間体の1への効率的かつ大量合成可能な方法論を検討し、確立した。出発原料となる2、3-ジヒドロ-N-アセチルシアル酸誘導体(2)をN-アセチルシアル酸から従来法での大量合成する場合、ネックとなっていた2-クロルシアル酸の合成を4,5,7,8,9-ペンタアセチルノイラミン酸に塩化チオニルを作用することで簡便かつ定量的に2-水酸基を塩素で置換することで問題点を克服し、1の新しい簡易で効率的な合成法を開発した。1を立体選択的かつ高収率で糖鎖にグリコシル化する方法論はすでに完成させているので、この方法論を展開して、還元端に供与能をもったジシアロ体として案出してきたシアル酸(2α-8)-2-フッソ化シアル酸(3)を効率良く合成することができた。このジシアロ体3のグルコシル反応の検討の結果、高収率で縮合が進行し、共与体としての有効性を明らかにできた。ガングリオシド糖鎖のエチルチオグリコシド体(4)と脂質の水酸基(5)との縮合反応を検討した結果、収率良く目的の糖脂質に誘導でき、新たなガングリオシドの合成法を開発できた。これによって、GM3やGD3の合成を達成した。 (2)鍵合成原料のイズロン酸を効率的合成法グルクロン酸の5位エピメリ化による効率的合成法を開発し、この方法論を展開して、2糖単位のGalNac-IdoAとIdoA-GalNacの合成を行なった。さらに、この方法論をGlcAを含む2糖に応用しグルクロン酸の5位をエピメリ化することに成功した。 以上の知見を踏まえ、現在は、多糖への応用を検討している。
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