1994 Fiscal Year Annual Research Report
グリコサミノグリカン合成に関与する硫酸転移酵素遺伝子の構造と機能
Project/Area Number |
06267210
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
羽渕 脩躬 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90024067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 雅一 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (70242899)
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Keywords | 硫酸転移酵素 / コンドロイチン硫酸 / プロテオグリカン / クローニング / 軟骨細胞 |
Research Abstract |
1.コンドロイチン6硫酸転移酵素の精製、cDNAクローニング 培養ニワトリ軟骨細胞の無血清培養液から、コンドロイチンのGalNAcの6位に硫酸基を転移するコンドロイチン6硫酸転移酵素(C6ST)を均一に精製した。精製酵母、及びV8プロテアーゼによる限定分解で得られるペプチドのアミノ末端アミノ酸配列を決定した。アミノ酸配列に基づき、縮重オリゴヌクレオチドを合成し、RT-PCR法によりDNA断片を増幅した。このDNA断片の塩基配列を決定し、これをプローブとして、軟骨細胞poly(A)+RNAから作製したcDNAライブラリーをスクリーニングし、cDNAをクローニングした。ORFから推定されるタンパク質は、アミノ酸458残基を含み、N結合糖鎖結合部位を6個含むII型膜蛋白であった。このcDNAによりコードされる蛋白がC6STであることは、(1)動物細胞の発現ベクターにcDNAを組み込み、COS-7細胞で発現させたとき、C6ST活性が対照の20倍以上となること、(2)cDNAの一部を大腸菌の発現ベクターに組み込み、大腸菌で発現された融合蛋白に対する抗体を作製したところ、こん抗体はC6STと結合することから確認された。 2.コンドロイチン6硫酸転移酵素の基質特異性 放射性硫酸を取り込んだケラタン硫酸の脱アセチル化/亜硝酸分解産物の分析により、精製されたC6STはコンドロイチンのGalNAc残基の6位だけでなく、ケラタン硫酸のGal残基の6位にも硫酸基を転移することを示した。 3.ヘパラン硫酸6硫酸転移酵素の精製 CHO細胞の無血清培養液から、ヘパラン硫酸6硫酸転移酵素を均一に精製した。この酵素は、GlcNSの6位に硫酸基を転移するが、GlcNのアミノ基、IdoAの2位には転移しなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Habuchi,O.Habuchi,K.Kimata: "Purification and Characterization of Heparan Sulfate 6-Sulfotransferase from the Culture Medium of Chinese Hamster Ovary Cells" J.Biol.Chem.270. 4172-4179 (1995)
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[Publications] 羽渕脩躬: "硫酸転移酵素とプロテオグリカンの機能" 生化学. 66. 1401-1405 (1994)
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[Publications] O.Habuchi,Y.Matsui,Y.Kotaya,Y.Aoyama,Y.Yasuda,M.Noda: "Purification of Chondroitin 6-Sulfotransferase Secreted from Cultured Chick Embryo Chondrocytes" J.Biol.Chem.270. 21968-21974 (1993)
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[Publications] 小久保博樹、福田雅一: "PCR法の最新技術、第2章、(2)類似配列の増幅を利用したfamily gene cDNA クローニング" 羊土社, 6 (1995)
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[Publications] 羽渕脩躬: "複合糖質、第1章、(3)プロテオグリカン糖鎖のいろいろ" ミジカルビュー社, 13 (1994)