1994 Fiscal Year Annual Research Report
植物の生殖器分化、伸長生長の制御に関与する遺伝子のクローニングと機能の解析
Project/Area Number |
06269201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山根 久和 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助教授 (80090520)
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Keywords | シダ / Anemia phyllitidis / antheridic acid / cDNA cloning / Cucumis sativus L. / ジベレリン / ディファレンシャル スクリーニング |
Research Abstract |
フサシダ科植物の一種、Anemia phyllitidisの原糸体において雄性生殖器官である造精器の分化形成機構を追究する観点から、その主要造精器誘導物質であるantheridic acidにより発現が誘導あるいは抑制される遺伝子のクローニングを試みた。サブトラクション法により、誘導、抑制遺伝子が濃縮されたと考えられるcDNAプールを得、これらをプローブとして誘導、抑制遺伝子のスクリーニングを行ったが、誘導、あるいは抑制遺伝子を単離するには至っていない。現在、スクリーニング法についても更に検討を加えている。 一方、キュウリの胚軸から、ディファレンシャルスクリーニングにより数種類のGA_4(キュウリの伸長成長を制御する活性型GA)誘導性遺伝子のcDNAクローンを得た。その内、GA_4処理後比較的早期に転写が誘導される遺伝子のcDNAクローン(cCRG16)のインサートについて塩基配列を決定した。この塩基配列、および推定アミノ酸配列に対しホモロジー検索を行ったが相同性のあるものは認められなかった。CRG16がコードしていると推定されるタンパク質は、65個のアミノ酸残基からなるが、プロリンに富む中央部の比較的親水性の部分を除き殆どが疎水性のアミノ酸で構成されているなどユニークな特徴を有している。また、CRG16 mRNAの発現のkineticsおよび器官特異性の検討からCRG16にコードされているタンパク質がキュウリ胚軸の伸長生長に密接に関与していることが示唆された。
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