1994 Fiscal Year Annual Research Report
葉肉細胞の形質維持におけるサイトカイニン結合タンパク質の機能
Project/Area Number |
06269208
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若杉 達也 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助手 (10212317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 昌弘 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (80027044)
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Keywords | 植物ホルモン / サイトカイニン / サイトカイニン結合タンパク質 / メチル化 / S-アデノシルホモシステインハイドロラーゼ / 葉肉細胞 / タバコ |
Research Abstract |
我々は、タバコ葉の主要なサイトカイニン結合タンパク質複合体(CBP130)を単離し、の構成タンパク質のうち57kDaタンパク質(CBP57)がS-アデノシルホモシステイン(SAH)ハイドロラーゼであることを見出した。そしてサイトカイニン作用の一部はメチル基転移反応の調節により生じているという仮説を提唱した。この仮説を検証するため、種々の実験を行い、以下の結果を得た。 1)タバコ緑葉の可溶性蛋白質をゲル濾過で分画し、各画分についてサイトカイニン結合活性の測定と抗CBP57抗体を用いたCBP57の検出を行い、サイトカイニン結合活性とCBP57の存在は強い相関があることを明らかにした。 2)抗CBP57抗体を用いてCBP57の細胞内及び組織局在を調べ、CBP57は細胞内の細胞質部分に存在し、組織においては茎頂や根端、とくに根端の組織に多く存在していることを明らかにした。 3)タバコ緑葉をサイトカイニン処理した後、CBP57のmRNA量の変化を調べ、処理後24時間後において、mRNA量はサイトカイニン処理によって増大していることを明らかにした。さらにそのmRNA量の変化はCBP57をコードする2種の遺伝子の間で違いがあることも明らかとなった。以上の結果からCBP57遺伝子もサイトカイニンによって発現の調節を受けている可能性が示唆され、さらに組織局在の結果からCBP57はサイトカイニンによる細胞の増殖分化の過程に関与している可能性も示唆された。
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[Publications] Shinichi Mitsui: "A cytokinin binding protein complex from tobacco leaves:The 57kDa subunit hashigh homology to S-adenosyl-L-homocysteine hydrolase" The Journal of Plant Growth Regulation. (印刷中). (1995)
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[Publications] Tatsuya Wakasugi: "Loss of all ndh genes as determined by sequencing the entire chlaroplast genome of black pine,Pinus thunbergii" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 91. 9794-9798 (1994)
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[Publications] Tatsuya Wakasugi: "A physical map and clone bank of the black pine (Pinus Thumbergii) chloroplast genome" Plant Mol:Biol.Rep.12. 227-241 (1994)
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[Publications] Tetsuro Hirose: "RNA editing of tobacco petB mRNAs occurs both in chloroplasts and non-photosynthetic proplastids" Plant Mol.Biol.26. 509-513 (1994)
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[Publications] 三井真一: "サイトカイニン結合蛋白質" バイオサイエンスとバイオインダストリー. 52. 820-823 (1994)
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[Publications] 若杉達也: "「バイオ高性能機器導入・共同利用マニュアル」DNAシーケンサー" 蛋白質 核酸 酵素. 39. 1780-1787 (1994)