1994 Fiscal Year Annual Research Report
環境因子に対する遺伝的ハイリスクグループの分子生物学的予知のこころみ
Project/Area Number |
06271102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤田 博美 東北大学, 医学部, 助教授 (60142931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 玲子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教授 (50150967)
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Keywords | ポルフィリン症 / 保因者 / 赤血球型転写調節 / δ-アミノレブリン酸脱水酵素 / ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ / コプロポルフィリンオキシダーゼ / フェロケラターゼ / 環境汚染物質 |
Research Abstract |
ヘム合成の先天異常(ポルフィリン症)には多くの保因者が存在し、様々な環境要因に対するハイリスク群を形成している。このハイリスク群の予知を可能とするために、先天異常を解析した。 δ-アミノレブリン酸脱水酵素(ALAD):先天的に活性が1/2である家系:本家系の異常は酵素の寿命を短縮させるか、あるいは転写のレベルを抑えているかであることが示された。独立に得た16クローンのcDNAのうち11クローンについては5'端より700bp(亜鉛結合領域を含む)の解析では異常はない。残りの解析を進めている。 後天的に赤血球型ALADに異常が起きたと考えられる例:本症例では先天的な異常が一方の遺伝子座に存在し、他方の遺伝子座の赤血球型プロモーター領域の転写因子結合領域の近傍に後天的な突然変異が存在した。 赤血球系転写因子(NF-E2)とALAD発現:マウス赤白血病細胞をもちいて、NF-E2の大サブユニット(p45)の発現がヘムにより調節されること、ALAD以下のヘム合成系酵素およびグロビンの発現がp45により調節されていることを示し、後天的な異常への本転写因子の関与が示唆された。 ウロポルフィリノーゲンデカルボキシラーゼ:本症例ではT^<417>G^<418>T^<419>からCCAへという変異、A^<677>からCへという変異が夫々の遺伝子座に存在し、Val^<134>がGlnへ、His^<220>がProへという置換のいずれも活性を低下させた。本患者の家族はどちらかの変異がをもつ保因者であった。 コプロポルフィリンオキシダーゼ:本症例の一方の遺伝子座でA^<514>からC、他方にはG^<265>からA、G^<580>からAという変異があり、Asn^<172>からHis、Gly^<89>からSer、Val^<194>からIIeに置換していた。発現実験でGly^<89>の置換で活性は低下するが、他は遺伝子多形であることが示された。本患者の姉妹はGly^<89>置換を有する保因者であった。 フェロケラターゼ:本症例の異常はエキソン2の欠失であり、フレームシフトにより29番目のアミノ酸残基で停止していた。父親にも突然変異が存在したが保因者であった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Fukuda,H.Fujita et al.: "Regulation of β-globin mRNA accumulation by heme in DMSO-sensitive and DMSO resistant murine erythroleukemia cells." Blood. 83. 1162-1167 (1994)
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[Publications] H.Fujita,M.Kondo et al.: "Characterization and expression of cDNA encoding coproporphyrinogen oxidase from a patient with hereditary coproporphyria." Hum.Mol.Genet.3. 1807-1810 (1994)
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[Publications] K.Meguro,H.Fujita et al.: "The role of the erythroid-specific δ-aminolevulinate synthase gene expression in erythroid heme synthesis." Blood. (印刷中). (1995)
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[Publications] S.Taketani and H.Fujita: "The ferrochelatase gene structure and molecular defects associated with erythropoietic protoporphyria." J.Bioenerg.Biomembr.(印刷中). (1995)
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[Publications] 藤田博美、赤木玲子他: "ALAD欠損症" 日本臨床. (印刷中). (1995)
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[Publications] 藤田博美、千葉百子他: "中毒とヘム代謝異常" 現代科学. (印刷中). (1995)
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[Publications] H.Fujita et al.: "Regulation of Heme Protein Synthesis" AlphaMed Press,Dayton,Ohio,U.S.A., 139 (1994)
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[Publications] 藤田博美他: "Toxicology Today-中毒学から生体防御の科学へ-" 金芳堂、京都, 380 (1994)