1994 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素の発生制御のための炭化と炭素サイクルの管理システムの確立
Project/Area Number |
06271109
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑原 正章 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (40035978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 達郎 金沢大学, 工学部, 教授 (80019728)
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Keywords | 炭化 / 廃棄物 / 二酸化炭素 / 炭素サイクル / 地球温暖化 / Bang-Bang制御 |
Research Abstract |
有機性廃棄物は燃焼や腐敗により大気中の二酸化炭素の増加をもたらしている。本研究では、廃棄物から発生する二酸化炭素などの炭素を「炭」のように安定した炭素の形態に変換し、炭素を環境中に固定化することによって二酸化炭素の発生制御と炭素サイクルの管理システムの確立を目指したものである。 まず、本研究では、廃棄物を地中に埋めた場合の土壌微生物による二酸化炭素の発生に関する数式モデルを拡散、移流、吸着などの因子にもとづいて提出し、種々の条件の下で二酸化炭素の発生量を推算した。たとえば廃棄物を10mの深さに埋め立てた時、二酸化炭素密度は地表面に近づくにつれて増加し、30日後の地表面での密度は大気の約10倍に達した。 次に、二酸化炭素の発生の低減化の一つである廃棄物の炭化と地中にもどす炭素サイクル操作を目指した場合の炭化の省エネルギー化について考察した。まず、炭化炉の真空度が一定のときは炭化率は炭化温度とともに増加し、約500℃で最大値100%になった。炭化温度が一定のとき炭化率は真空度とともに増加し、約-10cmHgで最大値100%に達した。省エネルギーで高炭化率の炭化を行うには、500%で-10cmHgの真空度に保つ操作が効果的であることがわかった。つぎに、炭化に要する熱量を最小にして炭化炉の操作条件を最大原理にもとづいて推算し、実験的に検討した。その結果炭化時間6minの時Tmax(=500℃)からTmax(=200℃)にbang-bang制御することによってハミルトニアンHは最小になり、廃棄物10gから約4gの炭化物が得られた。
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