1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヨシを中心とした湿地(ウェットランド)の創出技術に関する研究
Project/Area Number |
06271228
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
細見 正明 東京農工大学, 工学部, 助教授 (90132860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋葉 道宏 島根大学, 農学部, 講師 (00159336)
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Keywords | ヨシ / 湿地 / 河口域 / 汽水湖 / 創出 / 発芽 / 間隙水 / 種子 |
Research Abstract |
本研究ではヨシを中心とした湿地を創出する技術を確立するための基礎的な検討として、ヨシ湿地が自然に形成されている沿岸域(東京湾小櫃川河口および島根県神西湖)を対象にしてヨシ湿地を維持していくための環境条件を明らかにすることを目的とし、汽水域でヨシ原が成立可能となる環境条件を特にヨシの生育を疎外する因子である塩分濃度や栄養塩濃度を中心に調査研究を行い、また同時に室内実験によるヨシの発芽特性を調べ、調査結果との比較評価を行った。得られた結果は次の通り。 (1)東京湾小櫃川河口域のヨシ湿地土壌間隙水の塩分濃度は気象条件などでかなり変動が激しいが、全体的傾向として土壌中の水のほうが表面水より塩分濃度が低く、かつ深部では短期的な時間変化はほとんどなかった。そのため、深いほうが塩分が低くなる場合もあった。ヨシ湿地の成立には土中塩分濃度及び水位が重要であり、塩分濃度については平均して1.5%程度以下が望ましいことがわかった。また、湿地土壌間隙水中の栄養塩濃度が高くなるとヨシの現存量が増加する傾向が認められた。 (2)汽水湖である神西湖では、小櫃川河口域と同様に、ヨシの現存量と間隙水中のアンモニア濃度と高い正の相関関係が、またヨシの現存量と間隙水質中の塩分濃度と負の相関関係が認められた。しかしながら、含水比、有機物含有量、粒度とヨシ現存量との関係は認められなかった。 (3)淡水産および沿岸海域産ヨシの種子との間に発芽率の差は認められなかったが、塩分濃度に大きく影響を受けた。塩分濃度が高くなるにつれ、発芽率は急激に低下し、1.5%以下では発芽率は5%程度になった。
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[Publications] M.HOSOMI, R.SUDO, and A.MURAKAMI: "A four-year mass balance for natural wetland system receiving domestic wasterwater." Water Science and Technology. (印刷中). (1994)
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[Publications] 細見正明: "内陸湿地における自然浄化のメカニズムと浄化機能の積極的利用" 水環境学会誌. 17. 149-153 (1994)
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[Publications] 細見正明: "湿地植物による水質浄化" グリーン・エイジ. 21. 8-11 (1994)
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[Publications] 細見正明: "湿地システムによる水質改善" 繊維学会誌. 51. 3-8 (1995)
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[Publications] 秋葉道宏: "中海浚跡地に集積した浮泥の特性" 環境工学論文集. 30. 15-21 (1993)
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[Publications] 細見正明(分担): "ゴルフ場・水系の水質浄化 (社)ゴルファーの緑化促進協力会・「ゴルフ場・水系の水質浄化」編集委員会編 (分担)水生植物を用いた水質浄化手法 p.93-106" 博友者, 197 (1994)