1994 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン等人為起源有害ハロゲン物質の化学的処理法
Project/Area Number |
06271241
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 徹 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (30214513)
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Keywords | PCDDs / PCDFs / ダイオキシン / 有機ハロゲン / 分解処理法 / アルカリ金属水酸化物 / 1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン / DMI |
Research Abstract |
我々は残灰・飛灰中のダイオキシン類に対する大規模な処理を指向した、操作の容易なアルカリを用いた脱塩素処理法(KOH/DMI(1,3-Dimethy1-2-Imidazolidinone)法)を新たに考案し、この新規処理法がダイオキシン類に対して有効であることを確かめる基礎的検討を行い、以下の結果を得た。 1.希薄溶液の完全分解:ダイオキシン類の塩素置換数の多少に関わらず完全に脱塩素分解できる。 2.迅速処理:従来のナフタレニド法(5分以内)に比べ若干長い処理時間を必要とするものの比較的短時間(30分以内)で処理反応は完結する。 3.処理温度:ナフタレニド法が室温で行えるのに比べて、90℃程度の処理温度を必要とするが、塩基触媒法(BCD法)などに比べるとはるかに低温で行える。 4.簡便な処理操作:ダイオキシン類を含むヘキサン溶液にKOHのDMI溶液(5%)を加え、加熱・撹拌するのみで処理は完了する。また、大気や水の存在は処理にほとんど影響しない。 5.経済性と安全性:KOHは安価であり、取扱容易な安全な物質である。また、DMIは各種アルカリや酸に対して高温においても極めて高い耐性を示すから、回収再使用に都合が良く、大規模スケールでの処理に化学的にも経済的にも適した毒性の低い溶媒である。 上に示したように、今回我々が考案したKOH/DMI法はナフタレニド法に並ぶ利点を持ったダイオキシン類の脱塩素分解処理法であり、少なくとも焼却飛灰等から抽出された試料形態の大規模処理へ適用できる有効な手法であることが示された。
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