1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06272103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 茂 東京大学, 医学部(医), 助教授 (60160503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 淳 京都大学, 医学部, 教授 (10204976)
太田 成男 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)
水野 美邦 順天堂大学, 医学部, 教授 (30049043)
永津 俊治 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (40064802)
吉田 充男 自治医科大学, 医学部, 教授 (70048966)
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Keywords | パーキンソン病 / 発症物質 / 抗パーキンソン病薬 / パーキンソン病診断 / ドーパミントランスポーター |
Research Abstract |
本研究の第一目標は真のパーキンソン病発症物質を突き止めることにある。更にその化合物を用いてパーキンソン病モデル動物を作製し、発症機序を明らかにすることにある。またその際、パーキンソン病のearly markerとしての応用に関しても検討する。第二の目標は上記モデルを用いたパーキンソン病の予防・治療法の開発である。本年度は以下に示す結果を得た。1)パーキンソン病患者脳脊髄液中に存在するパーキンソン病発症物質候補である数種の化合物に関して定量法を確立し、これらの化合物とパーキンソン病態との相関を検討したところ明らかなる相関が存在した。このことから、本研究グループによって提案している複数の候補化合物の相加効果によってパーキンソン病が発症する可能性が示唆された。また測定法の改良を検討し少量の脳脊髄液でも定量操作が行える方法を確立し、パーキンソン病診断のためのearly markerとして使用するための準備を完了した。2)パーキンソン病の発症機序の解明のため、これらの候補化合物の神経毒性を検討したところすべてに強い毒性が認められた。そのうち数種の化合物は線条体に多く蓄積することが判明し、また他の数種はドーパミントランスポーターに認識されることが示され、これら候補化合物がドーパミン神経に選択的に毒性を発現する可能性を示唆した。3)パーキンソン病薬の開発を目指し、検討を行い発症物質の類縁体の中に発症防御物質候補を見出した。本化合物は既存の抗パーキンソン病薬と全く異なる作用機作を有しており、現在詳細な薬効メカニズムを検討している。
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[Publications] Hiroshi Ichinose: "Hereditary progressive dystonia with marked diurnal fluctuation caused by mutations in the GTP cyclohydrolase I gene" Nature Genetics. 8. 236-242 (1994)
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[Publications] Makoto Naoi: "Inhibition of type A monoamine oxidase by 2(N)-methyl-6,7-dihydroxyisoquinolinium ions" Neurochem.Int.25. 475-481 (1994)
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[Publications] 太田茂: "パーキンソン病の病因をめぐる最近の進歩" 日本内科学会雑誌. 83. 42-46 (1994)
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[Publications] 太田茂: "パーキンソン病 その原因と治療への模索" ファルマシア. 30. 132-135 (1994)
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[Publications] 太田茂: "MPTP様内因物質" Molecular Medicine. 31. 654-660 (1994)
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[Publications] 太田茂: "MPTP様物質の探索" Clinical Neuroscience. 12. 977-979 (1994)