1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06272108
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
高坂 新一 国立精神・神経センター, 神経研究所, 部長 (50112686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 忠久 塩野義製薬(株), 医科学研究所, 部長研究員 (20079718)
永津 郁子 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80084573)
黒田 洋一郎 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (30073084)
服部 成介 国立精神. 神経センター, 神経研究所, 室長 (50143508)
加藤 泰治 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60094364)
古川 昭栄 岐阜薬科大学, 分子生物, 助教授 (90159129)
畠中 寛 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (60208519)
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Keywords | 神経栄養因子 / ニューロトロフィン / ニューロン / グリア / 再生 / レセプター / シグナル伝達 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究班では神経細胞の生存・機能維持を司る神経栄養因子および関連物質の作用機構を明らかにすることにより、神経変性疾患における脳細胞の選択的な氏のメカニズムを解明し、根本的治療原理の確立を目指すことを目的としている。 本年度は以下の点につき明らかにした。 1)ミクログリア由来プラスミノーゲン(PGn)の作用メカニズムを解明するため、アミノ酸配列に高いホモロジーがある肝細胞成長因子(HGF)のニューロンに対する成果を検討した。その結果、HGFにもPGn同様の神経栄養効果があること、更にHGFの効果はプロトオンコジーンであるc-met受容体を介したものであることを明らかにした。(高坂) 2)ラットの海馬や新皮質の培養ニューロンを高酸素気相下におくと、DNAの断片化を伴ういわゆるアポトーシスの状態で、細胞死に至ることが判明した。(畠中) 3)ニューロトロフィンとそれらの受容体であるtrkファミリーに対する特異的な抗体を作成し、それぞれの脳内局在を免疫組織化学的に検討した。その結果、胎生期ラットでは大脳皮質プレートのニューロンにNT-3が強陽性になるなど、脳形成にもニューロトロフィン群が重要であることが示唆された。(古川) 4)アストロサイトの分裂を抑制する新規の栄養因子であるグリオスタチンが皮質ニューロンの培養で、著明にシナプス形成を促進することが明らかとなった。(加藤) 5)神経栄養因子のシグナル伝達に重要な分子であるRasを活性化するC3Gおよび不活性化するGAP1^nの新たな2つの因子を発見した。(服部) 6)培養大脳皮質ニューロンでのネットワークを実験的に切断し、再生時における遺伝子の変動につき検討を加えた結果、GAP43などシナプス関連遺伝子が変動することを明らかにした。(黒田) 7)神経変性疾患のひとつである瀬川病の原因遺伝子として注目されているGTP cyclohydro lase Iに対する特異抗体の作成に成功した。(永津) 8)顔面神経切断モデル動物を用い、細胞内で変動する遺伝子群の探索を行った結果、ニューロン内でダウンレギュレートされるR IN G-H2モチーフを有した新規の遺伝子を同定した。(北村)
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Nakajima,K.et al.: "Plasminogen binds specifically to -enolase on rat neuronal plasma membrane." J.Neurochem.63. 2048-2057 (1994)
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[Publications] Nakamura,M.et al.: "High potassium and cyclic AMP analog promote neuronal survival of basal forebrain cholinergic neurons in culture from postnatal two-week-old rats." Dev.Brain Res.81. 218-229 (1994)
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[Publications] Hashimoto,Y.et al.: "Correlative regulation of nerve growth factor level and chline acetyltransferase activity by thyroxine in particular regions of of infant rat brain." J.Neurochem.63. 28-32 (1994)
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[Publications] Nakanishi,K.et al.: "Astrocytic contribution to functioning synapse formation estimated by spontaneous neuronal interacellular Ca2+ oscillations." Brain Res.659. 169-178 (1994)
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[Publications] Maekawa,M.et al.: "A novel mammalian Ras GTPase-activating protein which has phospholipid-binding and Btk homology regions." Mol.Cell Biol.14. 6879-6885 (1994)
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[Publications] Nagatsu,I.et al.: "Expression of human tyrosine hydroxylase-choloramphenicol acethy-transterase (CAT) tusion gene in the brains of transgenic mice as examined by CAT immunocytochemistry." J.Neural Transmission. 96. 85-104 (1994)
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[Publications] Nakajima,K.et al.: "Alzheimer's and Parkinson's Diseases:Recent Advances." Plenum Publishing Corporation,New York, 8 (1995)
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[Publications] 高坂新一: "神経系と免疫系の相互関連" Excerpta Medica, 8 (1994)