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1994 Fiscal Year Annual Research Report

原生生物の系統と進化

Research Project

Project/Area Number 06273102
Research InstitutionShowa University

Principal Investigator

中村 嘉宏  昭和大学, 薬学部, 助手 (20053902)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 橋本 哲男  統計数理研究所, 統計教育・情報センター, 助教授 (50208451)
Keywords原生生物 / 分子系統学 / 保存的蛋白質 / 蛋白質分子系統樹 / 最尤法
Research Abstract

本年度遺伝子解析の対象とした原生生物種は、ミトコンドリアをもたない寄生虫であるGiardia lamblia(ランブル鞭毛虫)、Entamoeba histolytica(赤痢アメーバ)、Glugea plecoglossi(アユ寄生虫)の3種、ミトコンドリアを有するが解析上その位置づけが重要となるTrypanosoma cruzi、および、チトクロームをもたないミトコンドリアを有するとされる寄生虫Blastocystis hominisの5種である。対象とした保存的蛋白質は、ペプチド鎖伸長因子EF-1αおよびEF-2、イソロイシルtRNA合成酵素(ileRS)などであり、これらについての推定アミノ酸配列データをもとに、アミノ酸置換に関するさまざまな確率モデルに基づいて真核生物内部の系統関係を最尤法により検討した結果、以下のことが明らかとなった。
1.アユ寄生虫GlugeaのEF-1αは、明らかに真核生物型の特徴を示しているが通常の真核生物のものに比べると極めて特異的である。EF-1αの解析結果は、Glugeaの分岐がGiardiaよりもさらに早いとの可能性の高いことを示唆している。もしこれが真実であるとすると、Glugeaはミトコンドリアの細胞内共生が起こる以前の真核生物の祖先型により近い生物であるということになる。
2.EF-1α、EF-2の解析はともに、Giardiaの分岐のすぐ後にTrypanosomaが分岐したとするSrRNAの一般的な解析結果を支持せず、Trypanosomaの分岐がミトコンドリアをもたないEntamoebaの分岐よりも後であるとの可能性の高いことを示唆している。ileRSや他の保存的蛋白質を含めて総合評価すると、(outgroup,(Giardia,(Entamoeba,(Trypanosoma))))という関係が尤もらしいとの結論が得られる。
3.EF-1α、EF-2、ileRSのアミノ酸組成値は生物種間でほとんど偏っていない。このことは、保存的蛋白質に基づく解析がSrRNAに基づく解析に比べ、より頑健な推定を与えるであろうことを示唆している。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 橋本哲男,中村嘉宏,足立 淳,長谷川政美: "真核生物の初期進化" 統計数理. 42. 111-129 (1994)

  • [Publications] Hashimoto,T.,Nakamura,Y,Kamaishi,T.,Adachi,J.,Nakamura,F.,Okamoto,K.,and Hasegawa,M.: "Phylogenetic place of kinetoplastid protozoa inferred from a protein phylogeny of elongation factor 1α" Molecular and Biochemical Parasitology. (in press). (1995)

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Published: 1996-04-08   Modified: 2016-04-21  

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