1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06273208
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小柳津 広志 東京大学, 農学部, 助教授 (70177301)
|
Keywords | 葉緑体 / ゲノムシークエンス / 分子進化 |
Research Abstract |
本研究では今年度は各種の藻類を用いてその葉緑体遺伝子の構造を解明する実験を行った。緑藻類では、UllvalesのBryosis sp.(ミナトハネモと呼ばれ東京湾内に生息、とくに千葉県富津の海岸で多数の固体が見られる)、VolvocalesのGonium quadratumおよびZygnematalesのClosterium acerosumを用いた。黄色藻類では珪藻類のThalassiosira sp.(珪藻類のなかでは非常の生育が早く細胞が多量に入手可能)を用い、渦鞭毛藻類ではAllexandrium hiranoi(渦鞭毛藻類のなかでは非常に生育が良好である)を用いた。これらには、研究の開始当初用いる予定であるものとは異なったものもある。葉緑体DNAをエチジウムブロミドおよびビスベンズイミドによる超遠心により他のDNA(細胞質およびミトコンドリアDNA)と分離させ、これをシャロミッドにクローン化した。約50個のクローンの制限地図を作製し、これより全体の制限地図を推定した。これらの小断片をブルースクリプトにサブクローン化して、配列をシークエンサーで解読した。 今年度は緑藻類から作業を進めた。Bryopsis sp.についてはシャロミッドライブラリーからEco RI制限地図を作製し、これらの小断片をサブクローン化して約30kbの配列を解読した。これらには、ATPaseなど多数の遺伝子配列を含んでいるが、全貌についてはまだ解析していない。Gonium quadratumについてはライブラリーを作製し、Closterium acerosumについては葉緑体DNAを分離した。珪藻類および渦鞭毛藻類については優先順位が低いことから作業は遅れており、現在20リットル規模で培養中である。上記の実験とは異なるが、クロロフィル組成がa,c型であるが緑藻類のクラミドモナス様形態を示す藻類についてその系統をssu rRNA配列から解明した結果、クロロフィル組成a,b型の緑藻類に近縁であることを明かとした。
|