1994 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂時のアクチン線維形成のダイナミクスに関与する低分子量アクチン調節蛋白質
Project/Area Number |
06275201
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
阿部 洋志 千葉大学, 理学部, 助手 (00222662)
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Keywords | 細胞質分裂 / コフィリン / アクチン / 収縮環 / アクチン調節蛋白質 / 脱リン酸化 |
Research Abstract |
細胞質分裂時のアクチン線維形成へのコフィリンの関与を明らかにするべく以下に述べる実験を行った。 1)コフィリンの機能のリン酸化による調節 コフィリンは間期の細胞では高度にリン酸化されているが、M期に特異的に脱リン酸化される。リン酸化コフィリンはアクチンへの結合能を失うことから、M期に脱リン酸化されることが活性を回復し、既存のアクチン細胞骨格を脱集合すると考えられる。実際、M期の細胞ではアクチン線維と局在が一致し、また細胞質分裂時にはアクチンと共に収縮溝に集まることが見出された。また、間期の細胞の抽出液にCaを加えるコフィリンの脱リン酸化がおき、10μMという高濃度のオカダ酸を加えておいた時にのみ脱リン酸化が抑制されたことから、コフィリンを直接脱リン酸化しているフォスファターゼはタイプ2Bであると考えられた。さらに、種々のキナーゼの阻害剤を用いてコフィリンのリン酸化の抑制が起こるかどうか調べたところ、多くのキナーゼを非特異的に阻害するK252aでのみ抑制が見られた。最近、コフィリンのリン酸化部位が決定されたが、その領域には既知のキナーゼのコンセンサス配列はなく、コフィリンをリン酸化するキナーゼはまだ未知のものである可能性がある。 2)Xenopus卵による解析 細胞質分裂へのコフィリンの関与をより詳細に調べるため、Xenopusからコフィリンのホモログをクローニングしさらに蛋白質を大腸菌で発現させ、それを用いて特異的な抗体を作製した。間接蛍光抗体法により、コフィリンは卵表層部に局在しており、受精後細胞膜部位に速やかに局在化することが見出された。そして卵割時には収縮溝にも集まり、さらにmidbodyにも局在化することが明らかとなった。また、未受精卵では80%のものがリン酸化されているが、受精後急速に脱リン酸化され、卵割期を通してリン酸化レベルは低く保たれていることが解った。
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[Publications] Ono,S.: "Charactcrization of a Novel Cofilin Isoform That Is Predominantly Expressed in Mammalian Skcletal Muscle." J.Biol.Chem.269. 15280-15286 (1994)
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[Publications] Ohtsuka,Y.: "Immunochcmical Studics of an Actin-binding Protein in Aacidian Body Wall Smooth Muscle." Zool.Sci.11. 407-412 (1994)
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[Publications] Nagaoka,R.: "Concentration of Cofilin,a Small Actin-Binding Protein,at the Cleavage Furrow During Cytokinesis." Cell Motil.Cytoskel.30. 1-7 (1995)
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[Publications] Nagaoka,R.: "Effccts of cofilin on actin filamentous structures in cultured muscle cells:Intracellular regulation of cofilin action." J.Cell Sci.108(in press). (1995)