1994 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞の増殖・分化過程における、転写因子PEBP2の発現及びその機能の解析
Project/Area Number |
06277204
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐竹 正延 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178688)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁木 賢 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (60241626)
|
Keywords | 急性骨髄性白血病 / 転写因子 / 染色体転座 / PEBP2 / キメラ蛋白 / Tリンパ球 |
Research Abstract |
(1)PEBP2αB(=AML1)は転写因子として機能する。 PEBP2αBのDNA結合能・βサブユニットとのダイマー形成能はRunt相同な領域によって担われていること、C端側約半分のプロリン・セリン・スレオニンに富む領域が転写活性化ドメインであることを示した。また、PEBP2αB遺伝子はalternative splicingによりαB1とαB2との2つのisoformのポリペプチドをcodeしうることが判明した。 (2)AML1/MTG8キメラ産物は細胞増殖能を亢進し、分化を阻害する様に作用する。 t(8;21)(q22;q22)転座を有するAML白血病細胞株、Kasumi‐1にPEBP2αのRuntドメイン(DNA結合ドメイン)を導入した。導入細胞の増殖能は1/5に低下し、またホルボルエステルに対する感受性が亢進してマクロファージへの分化が促進された。Runtドメインの上記の効果は、キメラ遺伝子産物に対してドミナント・ネガティブに作用する為と考えられた。 (3)胸腺Tリンパ球におけるPEBP2αの発現。 マウスの種々の組織の中で、PEBP2αA・PEBP2αB遺伝子を発現する主要な組織の1つは胸腺であった。即ち、16日令の胎仔・新生仔・整体マウスの胸腺、及び末梢リンパ節で発現が認められた。さらに胸腺Tリンパ球のCD4CD8,CD4^+CD8^+,CD4^+CD8,CD4CD8^+全分画で発現していた。
|
-
[Publications] Bae,S.C.: "PEBP2αB/mouse AML1 consists of multiple isoforms that posses differential transactivation potentials." Mol.Cell.Biol.14. 3242-3252 (1994)
-
[Publications] Sakakura,C.: "Growth inhibition and induction of differetiation of t(8;21)acute myeloid leukemia cells by the DNA binding domain of PEBP2 and the AML1/MTG8(ETO) specific antisense oligonucleotide." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 91. 11723-11727 (1994)