1994 Fiscal Year Annual Research Report
DNAウイルス初期遺伝子発現調節とその標的細胞遺伝子
Project/Area Number |
06280106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 宣生 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90012723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 政光 愛知県がんセンター研究所, 室長 (00182460)
横山 一成 理化学研究所, 研究員 (80182707)
石井 俊輔 理化学研究所, 主任研究員 (00124785)
吉池 邦人 国立予防衛生研究所, 研究主幹 (90072925)
半田 宏 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (80107432)
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Keywords | DNAウイルス / 初期遺伝子 / 転写調節 / SV40 / アデノウイルス / パピローマウイルス / EBウイルス / B型肝炎ウイルス |
Research Abstract |
DNAウイルスが細胞DNA複製プログラムを誘導する過程を、発がんの初期過程のモデルとして、さらに細胞遺伝子発現調節のモデルとして転写調節に的を絞って解析した。 1.ウイルス初期遺伝子の転写調節機構: 転写活性化機構のモデル系として、三つの系において、その機構が解析された。アデノウイルスE1AおよびE4遺伝子の転写調節につき、そこに働く転写因子の機能ドメイン、サブユニット構造、および結合蛋白質を転写機能との関連で解析した。HBVのX遺伝子の転写に関しては、X蛋白質遺伝子による自己の遺伝子の活性化機構を明らかにした。 2.ウイルス初期遺伝子産物の転写調節機能の細胞側標的遺伝子とその転写調節機構: 個々の系において研究の出発点が異なったが、標的遺伝子の同定、同定した遺伝子のプロモーター上のウイルス遺伝子機能の反応配列の同定、および反応配列に結合する調節因子とウイルス蛋白質との相互作用の解析を行った。EBVおよびパピローマウイルスの系では、多段階の過程を経た腫瘍細胞でウイルス遺伝子機能が、悪性形質発現に関与していることを明らかにし、ウイルス遺伝子機能の標的因子を検索している。SV40のT抗原の標的候補である細胞表面抗原遺伝子(MM3)およびアデノウイルスE1Aの標的であるPCNA遺伝子の系ではプロモーター領域をクローニングし、そこに存在する反応配列および結合因子を解析している。E1Aの標的c-junにおいては反応配列を明らかにし、そこにE1A結合蛋白質であるp300が結合することを発見した。またアデノウイルス12型E1Aにより負に調節されるMHCクラスIの転写調節につき、E1Aが転写因子とTBPの間に介在することを示唆した。さらにE1Aの反応配列CRE(cAMP response element)の結合蛋白質(CRE-BP1)とE1Aの相互作用の分子機構を解析した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sawada,J-I.: "Transcriptional regulation through the tetrameric complex formation of E4TF1 subunits." EMBO.J.13. 1396-1400 (1994)
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[Publications] Takada,S.: "Three sites of the hepatitis B virus X protein cooperately interact with cellular proteins." Virology. 205. 57-62 (1994)
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[Publications] Shimizu,N.: "Isolation of Epstein-Barr virus(EBV)-negative cell clones from the EBV-positive Burkitts lymphoma(BL)line Akata:Malignant phenotype of BL cells are dependent on EBV." J.Virol.68. 6069-6073 (1994)
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[Publications] Kiyono,T.: "Inhibition of p53-mediated transactivation by E6 of type 1 but not type 5,8,or 47,human papillomavirus of cutaneous origin." J.Virol.68. 4656-4661 (1994)
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[Publications] Tang,X.: "Cooperativity between an upstream TATA-like sequence and a CAA repeated element mediates E1A-dependent negative repression of H-2Kb class I gene." J.Biol.Chem. 270. 1-10 (1995)
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[Publications] Hirose,F.: "Repression of regulatory factor for Drosophila DNA replication-related gene promoters by zerknullt homeodomain protein." J.Biol.Chem. 269. 2934-2942 (1994)