1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06281216
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒木 登志夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90006073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 和広 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00192188)
許 南浩 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70173573)
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Keywords | 細胞分化 / ケラチノサイト / Cキナーゼ / シグナル伝達 / コレステロール代謝 / 増殖因子 / 組織構築 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
生体内では、多種類の細胞が精緻な三次元構造を形成し、細胞間相互作用のもとに増殖と分化のホメオスタシスが維持されている。本研究はそのような組織構築の分化メカニズムを、発がんの最大の標的組織である上皮組織について分析しようとするものである。本年度は以下の研究業績を得た。 1)三次元培養系の樹立: 組織構築のモデルとして線維芽細胞とケラチノサイトの再構成による三次元培養系を確立し、細胞間相互作用を検討した。線維芽細胞による“paracrine"増殖因子としてKGFを同定した。さらに、三次元培養系を利用した創傷治癒モデルを樹立し、IL-6、TNFα、KGFが創傷治癒に働くことを証明した。 2)ケラチノサイト分化のシグナル伝達経路の分析 マウス皮膚cDNAライブラリーから分離したCキナーゼη分子種は、上皮組織に豊富に存在し上皮細胞の分化に伴って発現する。η分子種はコレステロール硫酸によって活性化されることが分かった。コレステロール硫酸はケラチノサイト分化の最終段階に働くトランスグルタミナーゼの転写を促進する。コレステロール硫酸による転写調節領域を同定した。Cキナーゼ分子種をアデノウイルスベクターを用いてヒト正常ケラチノサイトに導入したところ、増殖が抑制され分化が誘導された。ドミナントネガティブ型はTPAなどによる分化の誘導を抑制した。さらに分化細胞層に発現するインボルクリンのプロモーターを用いトランスジェニックマウスを作成したところ、皮膚の分化異常の所見が得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koike,M.: "Growth enhancement of normal human keratinocytes by the antisense oligonucleotides of retinoblastoma susceptibility gene." Oncogene. 10. 117-122 (1995)
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[Publications] Chida,K.: "Cholesterol sulfate,a second messenger for the η isoform of protein kinase C,inhibits promotional phase in mouse skin carcinogenesis." Cancer Res.55. 4865-4869 (1995)
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[Publications] Ishida-Yamamoto,A.: "Altered distribution of keratinization markers in epidermolytic hyperkeratosis." Arch.Dermatol.Res.287. 705-711 (1995)
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[Publications] Murakami,A.: "Absence of down-regulation and translocation of the η isoform of protein kinase C in normal human keratinocytes." J.Invest.Dermatol.(in press). (1996)
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[Publications] Koizumi,H.: "Differentiation-associated localization of SPR1 in normal and diseased human skin." Brit.J.Dermatology. (in press). (1996)
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[Publications] Kartasova,T.: "Sequence and expression patterns of mouse SPR1." J.Invest.Dermatology. (in press). (1996)