1994 Fiscal Year Annual Research Report
白血病細胞の増殖阻止を目的とした制癌剤とサイトカインの併用療法に関する研究
Project/Area Number |
06282219
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
奈良 信雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00142258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 浩 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50242201)
東田 修二 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80251510)
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Keywords | 白血病 / 制癌剤 / サイトカイン / 白血病性幹細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
白血病細胞の増殖を阻止しうる制癌剤とサイトカインの併用療法の確立を目的として、制癌剤とサイトカインの白血病性幹細胞に対する効果を検討した。 白血病性幹細胞はメチルセルロース培地及び液体培養系で増殖する。これらの培養系での検討の結果、白血病性幹細胞には自己再生能と分裂増殖能があり、患者の予後を規定するのは白血病性幹細胞の自己再生能であることが確認された。このことから、白血病患者を治癒に導くには、白血病性幹細胞の自己再生能を阻止する治療法の確立が重要であることが分かった。 そこで、白血病性幹細胞の自己再生能に対する制癌剤の効果を調べたところ、cytosine arabinosideなどが有意に白血病性幹細胞の自己再生能を抑制することが分かった。サイトカインについては、tumor necrosis factor、interferonγ、transfroming grtowth factorβなどが白血病性幹細胞の自己再生能抑制に有効であることが分かった。但しサイトカインの作用については、共存する他のサイトカインによっては複雑な作用を示すことも分かった。このため、制癌剤とサイトカインの併用療法については、より詳細な研究が必要と考えられた。 心筋のカルシウム代謝に影響して心不全の治療に使用されているvesnarinoneの白血病性幹細胞に対する効果も検討した。同剤は白血病細胞の増殖を抑制するが、その機序としてアポトーシスの関与も想定された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nobuo Nara, Hiroshi Kurokawa, Shu Tanikawa, Junji Taniyama, Kaoru Nagata.: "Prognostic Signitirance of the Blase Self-Renewal Capacity in Patients with Acute Myeloid Leikhmie." Cancer. 73. 92-97 (1994)
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[Publications] 奈良信雄: "急性骨髄性白血病における白血病性幹細胞の自己再生能と治療" 臨床血液. 35. 1-8 (1994)
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[Publications] 東田修二,奈良信雄: "白血病性幹細胞と細胞増殖因子" 生体の科学. 45. 352-355 (1994)
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[Publications] 奈良信雄: "白血病を治す" 講談社, 278 (1994)