1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06283201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡山 博人 東京大学, 医学部, 教授 (40111950)
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Keywords | チェックポイント / 細胞周期 / 分裂酵母 / G1 / G2 / 哺乳動物 / センサー |
Research Abstract |
癌の悪性化に関わる染色体異常の発生機構と足場非依存性増殖機構の開明に向けて、分裂酵母および哺乳動物を研究材料として研究を展開した。その結果、染色体異常の発生に深く関わっていると現在想定されている細胞周期のチェックポイント機構に関して、二つの重要な機構を解明した。また足場非依存性増殖機構に関しては、ガン化シグナルによる足場非依存性細胞周期開始制御の一つが、足場がない状態でもサイクリンD1の誘導にあること明らかにした。細胞は、DNAに損傷を受けるとG1およびG2に停止し修復を行う。これまでDNA障害によるG1期停止機構の一つが、G1初期で働くCdk4キナーゼのチロジンリン酸化・脱リン酸化による制御であることを明らかにした。一方、S期ではDNA複製が完了するまで細胞分裂の開始を阻止するチェックポイント機構が働いている。このチェックポイント機構の細胞周期標的はCdc2キナーゼのチロジンリン酸化・脱リン酸化による制御であるが、これまで全く不明であったS期を認識する主たるセンサーを同定した。この因子は、Cds1と名付けたタンパクリン酸化酵素でDNA合成の開始に働くDNAポリメラーゼαの働きを感知しチェックポイントシグナルを送ることが判明した。 ガン細胞の特質は、足場非依存性に細胞周期を開始することができることである。非ガン細胞では、足場を無くすとサイクリンD1の発現が遮断されると共にG1に停止する。しかし、ガン化シグナルを受けると足場が無い場合でもサイクリンD1の発現が誘導され、これが発ガンシグナルによる足場非依存性増殖のをもたらす機構であることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Okayama,H.et al.: "Cell cycle control in fission yeast and mammals:ldentification of new regulatory mechanisms." Adv.Cancer Res.69. 17-62 (1996)
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[Publications] Kato,T.Jr.et al.: "Stress signal,mediated by a Hog1-like MAP kinase,controls sexual development in fission yeast." FEBS Let.378. 207-212 (1996)
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[Publications] Yoshida,S.et al.: "Assembly of Hepatitis C Virus Antigens Expressed from a Recombinant Vaccinia Virus." Proc.Japan Acad.72. 73-78 (1996)
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[Publications] Masuda,A.et al.: "Role of a signal transduction pathway which controls disassembly of microfilament bundles and suppression of high-molecular weight tropomyosin expression in oncogenic transformation of NRK cells." Oncogene. 12. 2081-2088 (1996)
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[Publications] Kizaka-Kondoh,S.et al.: "Crkll signals from growth factor receptor to ras." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 93. 12177-12182 (1996)
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[Publications] Sturm,S.,and Okayama,H.: "Domains determing the functional distinction of the fission yeast cell cycle start molecules Res1 and Res2." Mol.Biol.Cell. 7. 1967-1976 (1996)