1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06283201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡山 博人 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40111950)
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Keywords | 足場非依存性細胞周期開始 / Cdk6 / Cdk4 / 発癌刺激 / 分化制御 / RNA結合タンパク / G1停止 |
Research Abstract |
1, EGFとTGF-bの組み合わせで可逆的に癌化するNRKラット線維芽細胞の変異株を用いた解析から、発癌機構の解明を進めている.血清で刺激したNRK細胞の細胞周期開始にはCdk4が使われるが、癌化刺激を加えると更にCdk6が使われ始めることを明らかにした。しかしいづれによっても、Cdk4/Cdk6キナーゼは同程度に活性化されることから、Cdk6の新たな標的が出現する事によってCdk6が細胞周期開始に使われ始めるものと考えられた。今年度は、これを更に支持する結果を得た。NRK細胞変異株を用いた解析から、Cdk6の使用開始が足場非依存性細胞周期開始能に密接に関与していること、Cdk4/Cdk6,Cdk2の活性化のみでは足場非依存性細胞周期開始が起こらないことが明らかになった。 2, 細胞分化開始を制御する新規遺伝子を分裂酵母を及びヒトからクローニングした。Nrd1と名付けたこの遺伝子は、典型的なRNA結合蛋白をコードし、十分な栄養源枯渇に達するまで分化開始を抑制する。この遺伝子の過剰発現は、分裂酵母の分化を抑制する。哺乳動物ホモログであるROD1遺伝子は、発生を通じて主に造血細胞組織で発現していた.分裂酵母で見られたのと同様にROD1の過剰発現によってヒト白血病細胞株の巨核球および赤芽球への分化が阻止された. 3, 分裂酵母の分化と増殖を制御する新規遺伝子srw1の破壊株は、分化不能、G2期制御異常に加えて、窒素源枯渇にも関わらず、G1期停止ができない形質を示す。解析の結果、G1停正に関わるRes2/Cdc10/Rep2転写因子とは独立して、Res1/Cdc10転写因子をSrw1が抑制することによってG1停止が引き起こされていることがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ota,S. et al.: "Constitutive association of EGF receptor with the Crkll-23 mutant that inhibits transformation of NRK cells by EGF and TGF-beta" Cell Signal. 10. 283-290 (1998)
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[Publications] Jinno,S. et al.: "Cell cycle start from quiescence controlled by tyrosine phosphorylation of Cdk4" Oncogene. 18. 565-577 (1999)
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[Publications] Tnanaka,H. et al.: "Fission Yeast Cdc24 Is a Replication Factor C-and Proliferating Cell Nuclear Antigen-Interacting Factor Essential for S-Phase Completion" Molecular and Cellular Biology. 19・2. 1038-1048 (1999)
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[Publications] Yamamoto,H. et al.: "Isolation of a mammalian homologue of a fission yeast differentiation regulator" Molecular and Cellular Biology. (in press). (1999)