1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06283208
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 稔 東京大学, 農学部, 助教授 (80191617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀之内 末治 東京大学, 農学部, 教授 (80143410)
|
Keywords | Ras / two-hybrid system / radicicol / preussin / cdc mutant / Hsp70 |
Research Abstract |
本年度は、酵母two-hybrid systemを用いた細胞周期阻害剤の探索研究と昨年度の探索研究から見いだされたラディシコール、ブリュッシンの作用機構に関する研究を行った。 (1)酵母two-hybrid systemを用いた細胞周期阻害剤の探索研究について 本年度はRas/Rafの結合及びRas/CDC25の結合に対する阻害物質を広範に探索し、Ras/Rafの結合を阻害する物質を生産するカビK-21株、Ras/CDC25の結合を阻害する物質を生産する放線菌-85株を見いだした。これらの生産する活性物質の作用はそれぞれ特異的であったことから、大量培養と活性物質の精製を試みている。 (2)ラディシコールの作用について ラディシコールはチロシンキナーゼの阻害剤としてすでに我々が報告した物質であるが、昨年度Ras/Rafの結合阻害活性により再発見した。本年度はこの活性を確かめるため、RasをGSTとの融合タンパク質、RafのN末端側約半分(RIP3)をMBPとの融合タンパク質として精製し、直接の結合阻害があるかどうかを調べたが、50μg/mlという高濃度でも阻害が認められなかった。Two-hybirdで使用したRaf全長を用いると、in vitroでは結合活性がないことが示されていることから、酵母細胞内でRafはRasと結合可能になるための構造変化を起こすと考えられ、ラディシコールの作用は酵母細胞内でのRafの構造変化を阻害する可能性が示唆された。 (3)プリュッシンの作用について 昨年、我々はプリュッシンは分裂酵母cdc変異株中のcdc13、cdc25、weel等、特定の変異株にのみ強力に作用する物質として単離した。本年度は本物質の作用機構を解析する目的で、プリュッシン超感受性を示すcdc25を受容菌として耐性を与える遺伝子を野性株DNAライブラリーから検索したところ、1種類のプラスミドを取得した。このプラスミドには613アミノ酸をコードする読み取り枠が含まれており、本遺伝子は新規の熱ショックタンパク質をコードしていた。この遺伝子は、出芽酵母の細胞質型Hsp70をコードうるSSB1,SSB2と最も高い相同性を示した。この結果からプリュッシンは分裂酵母Hsp70を標的とし、cdc変異株の温度感受性蛋白質を不安定化することによって超感受性を付与している可能性が示された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Usui,T.: "AK-252a-resistance gene,sks1^+,encodes a protein similar to Caenorhabditis elegans F37A4.5 gene product and confers multidrug resistance in Schizosaccharomyces pombe." Gene. 161. 93-96 (1995)
-
[Publications] Yoshida,M.: "Trichostatin A and trapoxin:novel chemical probes for the role of histone acetylation in chromatin structure and function." BioEssays. 17. 423-430 (1995)
-
[Publications] Chanmugam,P.: "Radicicol,a protein tyrosine kinase inhibitor,suppresses the expression of mitogen-inducible cyclooxygenase ina macrophages stimulated with lipopolysaccharide and in experimental glomerulonephritis." J.Biol.Chem.270. 5418-5426 (1995)
-
[Publications] Kwon,H.J.: "Morkphology of ras-transformed cells becomes apparently normal again with tyrosine kinase inhibitors without a decrease in ras-GTP complex." J.Biochem.118. 221-228 (1995)
-
[Publications] Kimura,K.: "Phosphatidylinositol-3 kinase in fission yeast: a possible role in stress responses." Biosci.Biotech.Biochem.59. 678-682 (1995)
-
[Publications] Chireux,M: "Histone hyperacetylating agents stimulated promoter activity of human choline acetyltransferase gene in transfection experiment." Mol.Brain Res.(in press). (1996)