1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06283210
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鶴尾 隆 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00012667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 直也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (20280951)
冨田 章弘 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (40251483)
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Keywords | P-糖タンパク / 抗癌剤耐性 / 耐性タンパク / 耐性遺伝子 / 分子標的 / 耐性克服 / アポトーシス / 癌転移 |
Research Abstract |
本年度は、がんの本体解明に伴うがん治療の分子標的を意識しつつ以下の5つの課題に取り組んだ。 1.多剤耐性の分子機構と診断・治療 2.ストレス誘導の耐性の分子機構と治療への応用 3.アポトーシス誘導と耐性化の分子機構と治療への応用 4.抗がん剤の新しいターゲットの解明 5.転移がん細胞の特性の解明とその制御 これらの研究目的に対し以下の成果を得ることができた。 1.P糖タンパク阻害剤MS209がMRPを阻害し、MRPによる多剤耐性を克服することを見い出した。またBcl2とp21の発現により癌細胞が多剤耐性を示すことを明らかにした。 2.固形がん内部のストレス環境下でプロテアソーム依存的にトポイソメラーゼIIαの分解が起こることを明らかにし、プロテアソーム阻害剤がトポイソメラーゼII標的抗がん剤の効果を増強することを見い出した。 3.アポトーシスの際に活性化されたCaspase 3により細胞内のActinが切断され、15kDaのActin断片が細胞の形態変化に関与することを示した。新規ヒトIAPファミリーApollonの遺伝子をクローニングし、Apollonが脳腫瘍細胞株で発現していることを明らかにした。 4.新規テロメラーゼ阻害剤としてFJ5002を見い出し、約2μMでテロメラーゼ活性を50%阻害すること、また200nM以下の低濃度でがん細胞にテロメアの短縮・老化を誘導することを明らかにした。 5.血管新生に関わる塩基性FGF(bFGF/FGF-2)の作用機作を検討した結果、bFGFは骨血管内皮細胞からのプロスタグランジンE2産生誘導を介して破骨細胞の形成・分化を誘導していることを明らかにした。またbFGF依存的な破骨細胞形成は、COX-2阻害剤・COX-2 antisense oligoにより阻害されることも明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Dan, S.: "Activation of c-Abl tyrosine kinase requires caspase activation and is not involved in JNK/SAPK activation during apoptosis of human monocytic leukemia U937 cells"Oncogene. 18. 1277-1283 (1999)
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[Publications] Mashima, T.: "Caspase-mediated cleavage of cytoskeletal actin plays a positive role in the process of morphological apoptosis"Oncogene. 18. 2423-2430 (1999)
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[Publications] Ogiso, Y.: "Glucose starvation and hypoxia induce nuclear accumulation of proteasome in cancer cells"Biochem. Biophys. Res Commun.. 258. 448-452 (1999)
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[Publications] Hirotani, M.: "NH_2-terminal BH4 domain of Bcl-2 is functional for heterodimerization with bax and inhibition of apoptosis"J. Biol. Chem.. 274. 20415-20420 (1999)
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[Publications] Naasani, I.: "FJ5002: A potent telomerase inhibitor identified by exploiting the disease-oriented screening program with COMPARE analysis"Cancer Res.. 59. 4004-4011 (1999)
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[Publications] Yamori, T.: "Potent antitumor activity of MS-247, a novel DNA minor groove binder, evaluated by an in vitro and in vivo human cancer cell line panel"Cancer Res. 59. 4042-4049 (1999)