1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06283217
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 維紹 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50133616)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信之 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80222115)
|
Keywords | IRF-1 / NK細胞 / IL-15 / 骨髄微小環境 / 癌抑制遺伝子 / IFN-α / β / ウイルス感染 / アポトーシス |
Research Abstract |
IRF-1欠損マウスの脾臓や肝臓由来のリンパ細胞は、野生型マウスに比較してNK1.1+CD3-(NK)細胞の割合が激減し、細胞傷害性もみられなかった。また、IRF-1欠損マウス骨髄細胞を、野生型マウスに移植した場合、機能的に正常なNK細胞を生産する事が明らかとなった。更に、IRF-1欠損マウス骨髄では、NK細胞分化に重要なIL-15遺伝子の誘導性が低下していること、IL-15遺伝子が直接IRF-1によって制御を受けていることを見出し、IRF-1がナチュラルキラー(NK)細胞の分化を促す骨髄中の微小環境の維持、成立に必須の転写因子であることを発見した。 また、IRF-1に特異的に結合する蛋白として、核内リン酸化蛋白nucleophosmin(NPM)を同定した。NPMの機能を分子レベルで解析した結果、NPMがIRF-1のDNA結合能を特異的に阻害し、転写活性化を阻害すること、NPMの発現が多くの白血病細胞で亢進していること、NPMにトランスフォーム活性が存在することを見出した。これらの事から、癌抑制遺伝子IRF-1の新たな不活性化機構が推測された。 一方、ウイルス(EMCV,VSV,HSV)を感染させたマウス胎児線維芽細胞(EF)がアポトーシスを起こす事、このアポトーシスが抗インターフェロン(IFN)-α/β抗体で阻害される事を見出した。そこで、各種IFN系の制御因子欠損EFを用いて、EMCV感染によるアポトーシスを検討した結果、IFN-α/β受容体欠損及びStat1欠損EFで、このアポトーシスが阻害されていることが明かとなった。更に、二重鎖RNA刺激後にIFN-αを加えることで効率良くアポトーシスがみられることから、ウイルス感染による二重鎖RNA及びIFN-α/βの産生によって、ウイルス感染細胞が特異的にアポトーシスによって排除される事が推測され、IFNによる新たなウイルス感染防御機構を見出した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Endo,T.A.et al.: "A new protein containing an SH2 domain that inhibits JAK kinases." Nature. 387. 921-924 (1997)
-
[Publications] Kondo,T.et al.: "Identification and characterization of nucleophosmin/B23/numatrin which binds the anti-oncogenic transcription factor IRF-1 and manifests oncogenic activity." Oncogene. 15. 1275-1281 (1997)
-
[Publications] Taki,S.et al.: "Multistage regulation of Th1-type immune responses by the transcription factor IRF-1." Immunity. 6. 673-679 (1997)
-
[Publications] Taniguchi,T.et al.: "IRF-1 : the transcription factor linking the interferon response and oncogenesis." Biochim.Biophys.Acta.Reviews on Cancer. 1333. M9-17 (1997)
-
[Publications] Ogasawara,K.et al.: "Requirement of IRF-1 for the microenvironment supporting natural killer cell development." Nature. 391. 700-703 (1998)
-
[Publications] Tanaka,N.et al.: "Type I interferons are essential mediators of apoptotic death in virally-infected cells." Genes to Cells. (発表予定). (1998)