1996 Fiscal Year Annual Research Report
国際的視点からみた戦前期日本社会学にたいする総合的研究
Project/Area Number |
06301026
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
中 久郎 龍谷大学, 社会学部, 教授 (80025030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 清忠 京都大学, 文学部, 教授 (50121398)
富士田 邦彦 京都府立大学, 文学部, 教授 (40036025)
梶谷 素久 名城大学, 法学部, 教授 (30076434)
新田 光子 龍谷大学, 社会学部, 助教授 (70033751)
児玉 昇 龍谷大学, 社会学部, 教授 (70024007)
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Keywords | 戦前期日本社会学 / 戦後日本社会学 / 社会学史 / スペンサー / 米田正太郎 / 高田保馬 / 戸田貞三 / 建部遯吾 |
Research Abstract |
本研究会では国際的視点から戦前期日本社会学を評価、位置づけることを研究目的とした。そして、主に3つの研究課題を設定して、それぞれに研究成果をえることができた。 第一には、とくに明治初期の西欧思想や社会学の導入過程と、その受容の内容にみられる「日本的」特徴を、その時代的背景のなかで検討することでありたとえばスペンサーが各国の社会学者を中心に与えた影響のうち日本に導入された際の<日本的変容>について明らかにした。 第二には、戦前の主要な社会学者の経歴や業績について調べることであり、とりあげた人物は、米田庄太郎、高田保馬、新明正道、建部遯吾、戸田貞三、鈴木栄太郎、有賀喜左衛門、古野清人などであったが、それぞれの人と業績を明らかにした。 第三は、戦前期、そして戦時下においての、民族、国家、政治、宗教、農村、あるいは家族といった社会学専門領域の研究実情を把握する課題を設定し、資料蒐集、インタビュー調査を実施した。 以上3つの研究作業を通じて、本研究会では社会学史領域における必要不可欠な基礎的な作業を実施することができ、今後継続する研究の土台づくりとしての作業を行うことができた。そして、今日では戦後中心の社会学史が一般的であるものの、戦前の社会学の戦後社会学にたいする影響、あるいはまた戦前の社会学の隣接学問領域への影響を認めることができた。それは戦前の社会学にたいするあらたな評価を可能にするものである。
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