1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06301027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岩本 健良 金沢大学, 文学部, 助教授 (50211066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 闊 甲南大学, 文学部, 教授 (30030042)
長谷川 計二 佛教大学, 社会学部, 助教授 (00198714)
小林 淳一 福岡大学, 人文学部, 教授 (20113243)
久慈 利武 三重大学, 人文学部, 教授 (40024484)
木村 邦博 静岡大学, 人文学部, 助教授 (80202042)
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Keywords | 社会理論 / 数理モデル / フォーマライゼーション / シミュレーション / ミクロ・マクロ・リンク / 数理社会学 |
Research Abstract |
1.初年度である1994年度には、フォーマライゼーションの戦略ポイントと、研究上の実践のあり方について議論した。最近の研究の概括として、単純系から複雑系へ、線形から非線形へ、個人主義から集合主義へ、という3つのポイントにおいて、モデルの枠組みに大幅な進展がみられ、従来は取り扱えなかった現象もモデルとして分析できる可能性が示された。 2.これを踏まえて戦略的切り口として、次の3つのテーマを設定し、それぞれを班として構成した。(A)古典理論の新展開(Neo-Classical Theorizing)、(B)シミュレーションによるモデル構築(Simulation as A Method of For malization)、(C)ミクロ・マクロ・リンク(Micro-Macro Link)。 3.各班では次のような点を議論した。(1)「ネオクラシカル・セオライジング」班では、社会学理論と概念のフォーマライゼーションを目標に、既存の理論のエッセンスを大胆に取り出すよう試みた。具体的なテーマとしては、「集団連帯の理論」、「ネットワークの形成メカニズム」、「権利の概念」、「数理と計量の接点」などが議論された。(2)「シミュレーション」班では、「社会過程シミュレーションの可能性」について議論した。個別のモデルとして「つつきの順序生成」、「「いじめ」の発生過程」「主流規範と下層階級の行動」「入試におけるマッチング」などが提示された。また、シミュレーションのソフトウェアを選定して導入し、分析を進めている。(3)「ミクロ・マクロ・リンク」班では、マクロな価値・規範・行動と個人の合理的選択との架橋を中心に議論が進められ、「公式権力の逆機能性」、「連帯集団と集合行動」、「正当性の成立」、「正義の概念と社会的決定関数」などをめぐって議論がなされた。
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Research Products
(1 results)