1996 Fiscal Year Annual Research Report
教授組織と授業時間の弾力的運用を伴う教育課程開発に関する総合的研究
Project/Area Number |
06301034
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
新井 郁男 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (30000061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 喜久司 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (70115351)
高浦 勝義 国立教育研究所, 教育指導研究部, 室長 (40110093)
高野 尚好 筑波大学, 学校教育部, 教授 (80000066)
岩崎 三郎 青山学院大学, 文学部, 教授 (20099229)
奥田 眞丈 川村学園女子大学, 副学長 (00126377)
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Keywords | 教授組織 / 授業時間 / 弾力的運用 / 教育課程開発 / 児童・生徒の個性 |
Research Abstract |
3年計画の3年目に当たる本年度(平成8年度)の研究推進の結果、概略次のような知見が得られた。 1.歴史・比較研究部 (1)歴史研究グループ・・・・・わが国の小・中学校において、明治20年代以降教授組織と授業時間の固定化が進展したが、その後第2次大戦後の一時期(昭和20年代初頭および昭和40年代)を除いてこれらの弾力的運用の実践例が少なかった要因として、教育行政上の関連基準のやや硬直的な性格と、教育思潮における授業内容・方法への偏りとがあったことが確認できた。 (2)比較研究グループ・・・・・英・米・仏の3国において、授業時間を弾力的に運用した注目すべき教育課程開発事例が確認できたが、その背景には子どもの個人差への配慮を重視する基本的な学校教育観や、行政施策における個別学校・教師の裁量尊重主義の傾向があることが相当明確になった。 2.事例調査研究部(教授組織研究グループと授業時間研究グループの2グループで構成) 今年度は、前年度までに実施した予備調査(平成6年度)および本調査(平成7年度)によって収集した資料の整理・分析作業を継続すると共に、とくに注目される小学校6校、中学校2校の補完調査を行った結果、次の点が明らかになった。すなわち、教授組織や授業時間を弾力的に運用する根拠が明確に認識され、数年体ではなく5〜10年に亘る比較的長期の見通しの下に取り組んでいる学校において、顕著な成果が認められることが明らかになった。その反対に、十分な事前準備や理論的検討を行わないまま、あるいは外発的に教授組織や授業時間の弾力的運用を行った学校の場合、一時的な革新的実践に止まり、校内職員の異動と共に形式化し、着実な質的向上が成されていない傾向があることが確認できた。
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